Bithumb がマネーロンダリング対策で一部ユーザーアカウントを制限
韓国の主要取引所であるBithumb(ビッサム)が、規制当局との適切な関係を築くための一歩を踏み出し、マネーロンダリング対策を真剣に受け止め、適用外地域からのユーザーアカウントを制限していることが分かった。
Bithumbはマネーロンダリング対策を真剣に受け止めており、地元メディアのKoreaHeraldが報じた内容によると、同取引所は、マネーロンダリング防止法がない国のユーザーが所有するアカウントに制限を課しているとのこと。このリストには、約21カ国が含まれており、影響を受けた国々がFATF(Financial Action Task Force =金融活動作業部会)の推奨しているAML(Anti-Money Laundering=マネーロンダリング防止)措置を採用できなかったため、この決定が必要だったと述べているとのこと。
影響を受ける国からアクセスしているとみられるユーザーは、アカウントが凍結されるほか、同取引所での新規口座開設もできなくなる。対象となる21カ国のうち、イランと北朝鮮が同取引所のブラックリストに含まれ、残りの19カ国については、イランおよび北朝鮮よりやや弱いグレーリストとなっているとのこと。Bithumbは、ブラックリスト入り国について、テロ活動とマネーロンダリングの主要なハブと認識しており、グレーリストは犯罪活動の安全な避難所と見なされている国であることを明かしている。なお、クレーリストに含まれる国は、イエメン、ミャンマー、バルバドス、アイスランド、シリア、パキスタン、ボツワナの他、12カ国が含まれている。
受難続きだった2020年のBithumb
Bithumbは2020年1年間、受難続きであった。
NEXTMONEYの特集記事「韓国最大の仮想通貨取引所bithumbへ突如、家宅捜索」、「ソウル警察、再び韓国最大の仮想通貨取引所Bithumbを襲撃」で報じたように、ソウル警視庁が江南オフィスを含むBithumb関連事務所を家宅捜査。昨年11月末には、「仮想通貨取引所Bithumb、コロナ拡大で江南オフィスを閉鎖」で報じたように、コロナパンデミックの影響を受け、江南オフィスを閉鎖している。これらの影響からか、同取引所は、「韓国・仮想通貨取引所Bithumb、4.3〜6億ドルで売却を検討」で報じているように、巨額での売却を検討していることも報じられていた。このように、昨年2020年はBithumbにとって浮き沈みの激しい1年となったが、コンプライアンスレベルで成長。先にも述べたように、ソウル警察が2020年9月2日に本社訪問し、捜索と押収を実施した影響から、同仮想通貨取引所は規制遵守をより真剣に受け止めている。
Bithumbは最近、Octa Solutionsと提携し、仮想資産に合わせたマネーロンダリング防止ソリューションを開発・実装。さらに、ブロックチェーン分析会社のChainalysis(チェイナリシス)と協力して、プラットフォーム上の不正なトランザクションを特定し、停止している。