英国政府、NFTが「芸術作品」だと確認する必要がある

過熱するNFT市場

最近、デジタルアーティストのマッド・ドッグ・ジョーンズ(Mad Dog Jones)氏は、自己複製するNFT(非代替トークン)がブティックオークションハウスのフィリップス(PHILLIPS)から410万ドル(約4億4,700万円)で売却された後、最も高価なカナダの生きているアーティストになった。

このセールは、ビープルとして知られるアメリカ人アーティストによるデジタル作品「Everyday – The First 5000 Days」が3月に6,900万ドルで販売されて移行、一連の高価値NFTオークションの最新のものとなった。当NEXTMONEYの特集記事「デジタルアーティストPak、NFTを燃やして手に入れる新しいトークンを発売」で報じたように、サザビーズは最近、謎めいたアーティストPak氏による2つのNFTを140万ドル(約1億5,000万円)で販売。19,880ユニットの「キューブ」が販売され、それぞれが500ドル(約55,000円)、計994万ドル(約10億円)を15分間で販売している。

時代遅れの規制

現在英国でビジネスを行う者は、マネーロンダリング、テロ資金供与、資金移動(支払人に関する情報)規則2017(MLR)に基づく義務を考慮しなければならない。

2020年1月10日に発効した改正によってMLRは、10,000ユーロ(約130万円)以上の価値のある「芸術作品」の販売、購入、保管を扱うアートマーケット参加者(AMP)に適用されるようになった。しかし、これらの規制はNFTアートブームを予測していなかったため、1年以上前のものであり、わずか1年であっても、すでに時代遅れの規制となっているのが現状で。「芸術作品」だと定義づけされてはいない。

MLRは、25年前の法令で、1994年の付加価値税(VAT)法に定められた定義を参照し、「芸術作品」を定義している。制定された当時はインターネットがまだ初期段階にあり、ブロックチェーン技術が導入されるずっと前に起草されているものだ。アートワークの定義には、「手作業で実行された」さまざまなカテゴリーの作品のみが含まれ、絵画やデッサン、彫刻、リトグラフ、彫刻、タペストリー、陶器、銅エナメル、写真などが対象となっている。NFTがVAT法の芸術の定義の精神に含まれることは明らかであるものの、テキストからは省略されている。

NFTの法的位置づけが急務

2021年6月10日のAMPのHMRC(英国歳入税関庁)への登録期限が近づくにつれ、英国政府はNFTを扱う人々へのMLRの適用についてより明確にする必要がある。

NFTアートディーラーが仮想通貨交換プロバイダーとして適格であるかどうかについても、より明確にする必要があり、MLRの下では、この用語は、「クリプトアセットをお金に、またはお金をクリプトアセットに」交換するビジネスに従事する企業および個人を含むと定義されている。

「暗号資産」は、FCA(金融行動監視機構)によって、「分散テクノロジーの形式を使用し、電子的に転送、保存、または取引できる、暗号で保護された価値または契約上の権利のデジタル表現」を意味すると定義されている。英国の規制当局はNFTが暗号資産であるとまだ明確に述べていないが、ほとんどのNFTはこの定義に含まれる可能性が高く、結果としてNFTディーラーは通貨交換プロバイダーと見なされる可能性が高い。通貨交換プロバイダーがFCAに登録する期限が昨年1月を過ぎたため、NFT市場の参加者はFCAの監視に遅れてサインアップする必要があるかどうかについてさらにガイダンスを緊急に必要としている。

ABOUTこの記事をかいた人

NEXT MONEY運営です。 「話題性・独自性・健全性」をモットーに情報発信しています。 読者の皆様が本当に望んでいる情報を 日々リサーチし「痒いところに手が届く」 そんなメディアを目指しています。