FTXは2021年に続いて2022年も順調な収益へ
クリプトウィンター(仮想通貨の冬)は、生き残るのに苦労している一部の企業とは異なり、FTX にとっては成長する絶好の機会だったことが改めて浮き彫りとなっている。
世界的に有名な仮想通貨デリバティブ取引所FTXは、米国のニュース専門放送局であるCNBCにリークされた同取引所の財務書類によると、2021年中に収益を8,900万ドルから10億2,000 万ドル(約122億円~1,400億円)に、1,000%以上増加させていたことが判明。同文書によると、2021年のFTXの純収益は3億8,700万ドル(約530億円)以上に急増。2020年の1,400万ドル(約19億円)から大幅に増加している。
クリプトウィンターは収益10億ドルの絶好のチャンス
2022年、弱気市場により複数の仮想通貨取引所が閉鎖されたが、一方でFTXは引き続き好調な収益を維持している。
A rare look under the hood at FTX’s finances & growth in 2021. Leaked financials show📃
– Revenue jumped 1,000%, topped $1B
– Profitable, with 27% operating margins
– Most biz coming from derivatives, outside U.S.
– Global footprint growing through M&Ahttps://t.co/ocSlsNarRA— Kate Rooney ☘️ (@Kr00ney) August 20, 2022
2021 年の FTX の財務と成長の内部をめったに見ません。リークされた財務情報が表示されます。
– 収益が1,000%増加し、10億ドルを突破
– 収益性が高く、営業利益率は27%
– ほとんどのビジネスは、米国外のデリバティブから来ています
– M&Aにより拡大するグローバルフットプリント
CNBC が引用した情報源によると、2022年の第1四半期には2億7,000万ドル(約370億円)以上の利益を上げ、11億ドル以上の収益を蓄積する道を進んでいる。しかし、同社はクリプトウィンターの真っただ中で、どのようにしてこのような良い結果を出し続けたのかは謎と報じている。CNBCは、FTXがこの質問に答えたくないことを報じており、同社のサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)CEO(最高経営責任者)兼創設者は、すでにこの数字を確認しているとのこと。
FTX は今から3年前の2019年5月に設立され、非常に短い期間で、仮想通貨のユーザーベースで大きなシェアを占める仮想通貨取引所であるBinanceとCoinbaseの重要な競争相手になるまでに成長している。ただし、これらの取引所はFTXとは異なり、仮想通貨の冬の間の収益について、あまりうまくいっていない。たとえば、NEXTMONEYの特集記事「CoinbaseはBlackRockとのパートナーシップを発表直後に10億ドル強の損失報告」で報じているように、2022年第1四半期にCoinbaseは、前四半期からの収益が64%減少。純損失は11億ドル(約1,509億円)を超えたと報告したほか、「Coinbase CEOは差し迫る仮想通貨の冬を目前に従業員の18%をレイオフへ」で報じたように、全従業員の18%に相当するスタッフを解雇する状況に陥っている。
弱気時代に構築されたFTX
2022年のこれまでのところ、FTX は市場での成長を後押しするため、カナダの取引プラットフォームであるBitvoや株式清算プラットフォームであるEmbed Financial Technologiesなどの企業を買収している。
2022年7月、FTXはVoyager Digitalの買収を申し出たものの、Voyager側は拒否。同社弁護士は、同買収提案は彼らにとって本当に公平でも有益でもなかったと言い、次のように語っている。
それは白騎士の身代金を装った非常に安い申し出でした。
フリード氏は、他の仮想通貨スタートアップを支援する意向を繰り返し語っているものの、FTXが現況を利用し、問題のあるビジネスを買収したことも事実である。現在、FTX は韓国の仮想通貨取引所であるBithumb(ビッサム)の買収を検討しており、BlockFiと2億4,000万ドル(約329億円)で買収に合意。さらにFTXはCelsiusについても買収を試みたものの、こちらについてはすぐに手を引いている。