200年続くオーストリアの印刷会社、仮想通貨ハードウェアウォレットを発表
約200年の歴史を持つオーストリアの印刷会社は、偽造や秘密鍵の盗難対策を施したカード状のハードウェアウォレットを発表した。新しいハードウェアウォレットは、現在ウィーンを拠点とするオーストリアの州印刷所、OeSDの子会社であるYOUNIQX Identityから誕生。同社は、パスポートなどの特殊印刷を手掛ける企業として有名である。
チェーンロックと呼ばれるこのウォレットでは、インターネットに接続状態であることを示す「hot(ホット)」、すなわちオンラインウォレットのハッキングに対する脆弱性に対処することを目的としている。
ウォレットはアプリを通して管理が可能。「インターネットやWIFI、NFCを介した秘密鍵への不正なアクセスから守られる」と同社はセキュリティ上の特長を説明。さらに、CryptoLockerのような悪意を持って仮想通貨を盗むマルウェアはデバイスの鍵にアクセスできないという。
同社のウォレット詳細
ウォレットはクレジットカードサイズのプラスチック製のスライバーのような形をしており、同社は熱や水に強いと強調している。チェーンロックの不正防止機能の特徴である、両面のマイクロ印刷やホログラム、連続的なカラーグラデーションなどは法定通貨やパスポートの新しい形にみられる特徴と似通っているという。
利益的な面でもメリットがあり、もしブロックチェーンを基盤にしたトークンがウォレット上でフォーク(分岐)するならば、カードの所有者は新しいコインの生成時に利益を得られると、同社は付け加えた。OeSDは伝統的でハイテクな印刷屋であったが、最近ではよりハイテクな自己認証とセキュリティ製品の提供者としての立場に移行しており、その一環としてYOUNIQXが設立した。(小村海)