Diemが米シルバーゲート銀行と提携
Diem Associationは5月12日(水曜日)、スイス金融市場調査局FINMAに登録する計画を放棄し、米国に戻ることを発表した。
NEXTMONEYの特集記事「Facebook仮想通貨のリブラ協会、スイスで決済システムのライセンス取得へ」で報じているように、Diemの前身であるLibraの時点で拠点を米国からスイスへ移していた。
しかし、今回、Diemは、スイスから米国へ再度移転することにに加え、FinCEN(米国金融犯罪捜査網)に登録し、待望の米ドル建てステーブルコインの発行者として、Silvergate Capital Corporationの完全子会社であるシルバーゲート銀行(Silvergate Bank)との提携を発表。ただし、海外仮想通貨メディアのTHE BLOCKの取材に対してDiemは、米国内のどこに拠点を設立するのかは特定しておらず、沈黙を貫いている状況だ。
また、米国の大手メディアCNBCは、シルバーゲートはカリフォルニアに拠点を置いているものの、Diemの新しい本社がワシントンD.C.にあると報じている。また、今回の件に関し、Diemのスチュアート・レヴィ(Stuart Levy)CEO(最高経営責任者)は次のように語っている。
私たちの計画はプロジェクトを完全に米国の規制範囲内に収め、FINMAからのライセンスを必要としなくなりましたが、プロジェクトはスイスでの集中的なライセンスプロセスと、FINMAおよび世界中の20を超える他の規制当局からの建設的なフィードバックから大きな恩恵を受けています。プロジェクトを検討するためにFINMAによって世界が召集されました。
荒波を乗越えてたどり着いた現在のDiem
今回のDiemの発表に対し、パートナーシップ提携を発表したシルバーゲート銀行は次のようにコメントしている。
私たちは、米ドルで裏付けられたステーブルコインの将来と、既存の決済システムを変革する可能性を信じています。Diemのテクノロジーと、お金を移動するための安全で確実な方法を提供する規制に準拠した支払いシステムを構築するという取り組みに触発されています。この製品を自信を持って発表できるプロセスにいることを嬉しく思い、Diemとの協力を継続することを楽しみにしています。
今回のパートナーシップ提携により、シルバーゲート銀行はDimeによる米ドル担保ステーブルコインの独占発行者となるが、Diemの前身はFacebook社が立ち上げたLibraである。立ち上げ当初より各国の政府や規制団体、中央銀行などから大きな反発を招き、米国の規制当局の懸念リストの1つとして問題視されていた。