インド準備銀行、CBDC中央銀行デジタル通貨に向けた第一歩を踏み出す

インド準備銀行がCBDCの段階的な展開を計画

インドの中央銀行にあたるRBI(インド準備銀行)は、CBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)の段階的な展開を計画していると、RBIのT・ラビ・サンカー(T Rabi Sankar)副総裁が明らかにした。

段階的な展開計画は、国の外国為替規則と情報技術法で必要とされる変更を維持するために議論されており、参加―氏は次のように述べている。

他の中央銀行と同様にRBIもかなり前からCBDCの導入の賛否両論を調査してきました。RBIは、卸売および小売セグメントでパイロットを実施することを計画しており、近い将来に可能性があります。


CBDCの基盤技術と検証メカニズムを評価

インド中央銀行は、他の多くの中央銀行と同様に、近い将来、独自デジタル通貨を展開する予定だ。

ただし、現在のインド国内の規定は1934年に制定されたRBI法に基づく物理的な形式の通貨を念頭に置いて作成されているため、法的な変更が必要になる事に加え、硬貨法、外国為替管理法(Fema)、および情報技術法において、修正が必要になる。初期計画は、CBDCが商人の支払いと小売りの支払いに焦点を合わせていることを明らかにしており、インド政府は段階的な展開の前にいくつかのパイロットプロジェクトを実行することを計画しているとのこと。また、サンカー副総裁は、RBIが開発の初期段階で重要な進歩を遂げ、現在CBDCの範囲、基盤となる技術、および検証メカニズムを評価していることを明らかにした。

仮想通貨法案を巡るジレンマに悩むインド政府

インドの中央銀行は、デジタル通貨計画を明らかにしたものの、仮想通貨法案をめぐるジレンマが蔓延しており、現段階でまだ明確にはなっていない。

CBDC開発計画を提案した省庁間委員会も仮想通貨法案を起草。インド政府は、仮想通貨に対するスタンスを、全面的な禁止を求めることから、前向きな規制をほのめかすことへと方針を転換しつつある。しかし、法案が議会に提出されない限り、同法案の最終提案と規則を予測することは非常に不確実だ。

中国はすでに開発段階を完了し、広範な立ち上げに近づいているため、現在CBDCレースを大きくリードしている。現在、中国の他にも米国、英国やUAE、ロシア、韓国、日本、その他いくつかの企業もCBDC計画を進めている。