ブータン、採掘採算の悪化でビットコイン準備を圧縮

ブータンがビットコイン準備金を縮小する動きを象徴したイメージ

マイニングコスト上昇と価格調整が国家戦略に影響

ブータン政府が保有するビットコイン(Bitcoin/BTC)準備金の縮小が明確になった。

オンチェーンデータによると、同国は直近で2,200万ドル(約34.5億円)相当を超えるビットコインを移動しており、価格下落とマイニング経済の悪化が国庫運営に影響を与えている。

ブータンは2019年から水力発電を活用した国営マイニング事業を展開し、長年にわたりビットコインを蓄積してきた。しかし、2024年の半減期以降、マイニングコストの上昇と市場環境の変化が重なり、従来の戦略を維持する難易度が高まっている。

マイニング経済の変化が準備金縮小を促す

ブロックチェーン分析会社Arkham(アーカム)のデータによると、ブータン政府は2026年2月4日(水曜日)に184BTCを送金した。

日本語訳:
ブータンはビットコインを販売している。

送金額は当時の価格で約1,400万ドル(約22億円)に相当する。これに先立ち、先週には100.8BTCが移動されており、直近の移動総額は約2,230万ドル(約35億円)となった。

これらのビットコインは、仮想通貨マーケットメーカーであるQCPキャピタルに送金された。マーケットメーカーへの送金は即時の売却を意味するものではないが、市場では資産清算に向けた準備段階を示す動きとして受け止められている。

ブータンは国営マイニングを通じて、これまでに推定7億6,500万ドル(約1,200億円)相当のビットコインを保有してきた。一方、半減期後は1BTCあたりのマイニングコストがほぼ倍増し、収益性は大きく低下している。2023年には約8,200BTCをマイニングしたが、現在は同規模の生産を維持することが難しい状況にある。

こうした環境変化を受け、ブータンのビットコイン保有量は、2024年10月のピーク時である13,295BTCから、現在は約5,700BTCまで減少した。

市場低迷の中で対照的なETF投資家の動き

ブータンの準備金縮小は、仮想通貨市場全体の調整局面と重なっている。

ビットコイン価格は史上最高値から大きく下落し、数カ月にわたる弱含みの展開が続いている。この価格環境は、国家レベルでビットコインを保有するブータンにとって、財務上の負担を増大させる要因となっている。

一方で、米国を拠点とするスポットビットコインETF(上場投資信託)の投資家は、価格下落にもかかわらず比較的落ち着いた姿勢を保っている。ETFアナリストのジェームズ・セイファート(James Seyffart)氏は、価格調整が続く中でも、ETFからの資金流出は過去の流入規模と比べて限定的であると指摘した。

Farside Investors(ファーサイド・インベスターズ)の予備データによると、スポットビットコインETFへの累計純流入額はピーク時から減少しているものの、大規模な資金流出には至っていない。投資リサーチャーのジム・ビアンコ(Jim Bianco)氏も、ETF投資家は一定の含み損を抱えながらも、ポジションを維持していると述べている。

ブータン政府は今回の送金について公式な説明を行っていないが、過去には約5,000万ドル(約78.4億円)規模のビットコインを一括で売却した事例がある。マイニング経済の悪化と価格変動が続く中、同国のビットコイン戦略がどのように調整されていくのかが注目される。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム