ノルウェー政府系ファンド、マイクロストラテジー経由でビットコインへの投資を83%増加

ノルウェー政府系ファンドがビットコインへの投資を83%増加

NBIM(Norges Bank Investment Management:ノルウェー銀行投資運用)が運営するGPFG(Government Pension Fund Global:ノルウェー政府年金基金グローバル)は、2025年に間接的なビットコイン(Bitcoin/BTC)への投資を83%の大幅拡大させ、保有総額11,600BTC(約1,247.3億円相当)に達した。

スタンダード・チャータード銀行(Standard Chartered)のジェフリー・ケンドリック(Geoffrey Kendrick)氏によると、ノルウェー銀行投資運用は第2四半期にビットコイン換算のエクスポージャーを6,200BTCから11,400BTCに増加させたという。マイクロストラテジー(MicroStrategy)のような仮想通貨に特化した企業の株式購入を主に通じたこの戦略的取り組みは、機関投資家がデジタル資産への関心を高めていることを示している。また、GPFGのアプローチは、法規制を遵守しながら仮想通貨への投資をするため、標準的な株式投資を利用するという大きなトレンドと一致している。

NBIMのビットコインへの投資の大部分は、積極的なビットコイン購入戦略で知られるマイクロストラテジーへの関心の高まりによるもので、2024年には、同ファンドはマイクロストラテジーの保有比率を0.67%から0.89%に引き上げ、エクスポージャーを11,600BTCへと大幅に増加させている。

機関投資家の動向と規制への対応

GPFGの決定は、機関投資家の間でビットコインへの間接的なエクスポージャーを得る傾向の高まりと一致している。

ノルウェーではビットコインの直接購入を違法とする法律があるが、マイクロストラテジー、コインベース(Coinbase)、マラソンデジタル(Marathon Digital)などの企業への投資は、これらの規制を回避する合法的な方法となっている。

間接的なエクスポージャー

NBIMの計画は、ビットコインの将来の値上がりから利益を得るチャンスを与えるが、同時にリスクも伴う。

例えば…、ビットコインのボラティリティ(※価格変動差)はマイクロストラテジーの株価に強い影響を与え、財務リスクを高める可能性がある。アナリストは、ビットコインの価格安定に過度に依存する企業は「デススパイラル(※価格下落がさらなる価格下落を引き起こす負の連鎖)」に陥る可能性があると指摘している。

仮想通貨普及への影響

GPFGによるビットコインへの投資増加は、今が(人々が)仮想通貨利用を始める重要な時期であることを示しており、特に規制や規則が変更される中で、他の機関投資家も同様の手法を検討するよう促す可能性がある。

NBIMの行動はビットコインを直接的に支持するものではないものの、分散型ポートフォリオにビットコインを保有することの重要性を認識する人が増えていることを示しており、このような動きは、世界中の人々の投資方法を変える可能性がある。