ジャマイカ証券取引所(JSE)は14日、2018年内に仮想通貨の取引サービス提供を開始し、サービス提供のためトロントに拠点を置くブロックチェーンのスタートアップ企業であるBlockstation(ブロックステーション)との覚書を締結したと発表した。
ジャマイカ証券取引所(JSE)は世界連邦取引所連盟(WFE)の会員であり、ブルームバーグが2015年に発表した内容によれば世界一の証券取引所とされている。
JSEのマネージングディレクターであるマレーネ・ストリート・フォレスト氏は、投資商品のとしての仮想通貨取引の提供を行うことはJSEが現在提供している株式や債券、その他の投資商品と適合すると話した。またフォレスト氏は「仮想通貨取引を提供していくにあたっての最終段階はコインの取引であり、そのためにスマートコントラクトを用いた安全な方法で仮想通貨の取引市場を提供することになる。」とも述べている。
Blockstation(ブロックステーション)がJSEに対して技術提供をすることにより、JSEの既存のインフラはJSEの新たな取引所とネットワーク上で接続され利用者は仮想通貨の取引が可能になる。
フォレスト氏はただ取引リストに仮想通貨を加えるだけでなく、ブロックチェーン技術によって取引所プラットフォーム及び顧客がどのような恩恵を受けられるようになるのかを引き続き検討していくとしており、将来的にはJSE独自の仮想通貨を発行していく計画があることも明らかにしている。
Blockstation(ブロックステーション)の共同創設者のジャイ・ウォーターマン氏によればBlockstationはJSEと協力し、約6か月間もかけて新たなプラットフォームを構築しており、JSEからはプラットフォーム構築にあたって市場操作を追跡するツールなどの追加も要求されたとしている。
ウォーターマン氏は以下のように述べた。
我々の使命は証券取引所やブローカー、ディーラーに対し安全な仮想通貨の取引環境を提供していくことである。現在のエンドツーエンドで証券を取引していくのと同等のサービスをブロックチェーン及び仮想通貨でも可能にするため、証券取引所に対しネットワークやレポジトリ向けの技術を提供している。
しかしJSEは仮想通貨取引の提供を急いでいる訳ではなく「投資家がより安全な仮想通貨取引を行っていけるよう、時間をかけサービスの開発に取り組んでいる。」とフォレスト氏は述べている。ジャマイカでは2018年以内には安全で信頼のおける仮想通貨取引サービスが提供されることとなるだろう。
現在ジャマイカ以外の国でも多くの証券取引所が仮想通貨取引サービスの展開を発表しているが、まだほとんどの取引所がサービス提供のための準備を慎重に進めている段階であり証券取引所での仮想通貨取引の本格化にはもう少し時間が必要だ。