ロシア、仮想通貨を財産として認識する方針

ロシアがデジタル仮想通貨を資産と認識する方針

ロシアのミハイル・ミシュスティン(Mikhail Mishustin)首相が今月26日、仮想通貨を財産と認められるよう、税法改正の予定であるとする旨の発言を政府会議で行った。首相は、「仮想通貨は比較的新しい金融商品で、関心が高まっている」と述べつつ、次のように説明している。

税法にいくつかの変更を加え、デジタル金融資産は財産として認識される。その所有者は違法行為が発生した場合、法的保護に頼ることができ、法廷で財産権を守ることができる。

ミシュスティン氏によると政府は、市場の発展を文明化された方法で指示する。デジタル資産所有者が権利と利益を保護できるようにする計画であり、新しい修正は仮想通貨を含む可能性のあるシャドウスキームを大幅に妨げるはずだが専門家は、ミシュスティン氏のこのコメントは最新のものではないと指摘した。

分散型金融取扱い企業Tokenomicaの弁護士兼CEO(最高経営責任者)であり、デロイトCIS(独立国家共同体)のブロックチェーンラボの創設者兼元責任者であるアルタイオム・トルカチェフ(Artyom Tolkachev)氏は、ミシュスティン氏が提案したのではなく、今年7月に可決されたDFA(On Digital Financial Assets=デジタル金融資産関連法)で既に関連条項が盛り込まれている。税法の改正は以前、すでに発表されていることだと指摘。DFA法は、仮想通貨の申告宣言があった場合の法的保護の可能性を示唆する条項も含まれていると語っている。

もう1つ興味深いのが、ロシアの法的解釈では、仮想通貨は「デジタル金融資産」ではない点だ。

DFAではその性質上、セキュリティトークンに似ているため、政府の会議で並べて検討されたのは少し奇妙であり、トルカチェフ氏は、すでに通過した法律を常に理解しているとは限らないようだと皮肉交じりにコメントしている。

大きな変化を期待するべきではない。以前にロシアで仮想通貨の規制がなかったように、今日でもまだ制定されておらず、これは問題である。さらに、最近、ますます禁止的なイニシアチブが見られ、実際にはセキュリティトークンであるDFAの規制はまだ必要ない。

これまで仮想通貨に対し、デジタルルーブルの発行を目指すロシア中央銀行を中心に厳格な規制を設けている。同国内でも仮想通貨に対する意見は二分しているものの、おおよその印象として否定派とみられていたロシアが、最近になって厳格な仮想通貨法を緩和するためにいくつかの措置を講じている。しかし、ビットコイン保有者は依然として法に違反するため、懲役刑に直面する可能性が残っている。

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