ビットコインキャッシュの8%課税に反対で、51%攻撃を仕掛ける

ビットコインキャッシュに51%攻撃

ビットコインキャッシュABC(BCHA)で、「マイニング報酬の8%を開発者資金に充当する」として突然浮上した課税に抗議し、51%の攻撃を仕掛けたことが分かった。

自称「オールドガード(保守派)マイナーとクジラ(大口の投資家)」団体と名乗るVoluntarism.devは29日(日曜日)、11月15日にビットコインキャッシュの論争となったハードフォークに抗議し、ビットコインキャッシュABC(BCHA)に対して51%攻撃を開始させた。

51%攻撃とは、「Proof-of-Stake(PoS)の仮想通貨に固有の脆弱性 [Fake Stake攻撃]」で解説したように、コンセンサスアルゴリズムPoW(Proof-of-Work)を採用している仮想通貨では、高い計算力を持つマシンを使って検証速度を競う。また、互いに確認しあうことでブロックチェーンの正当性を担保しているが、仮に悪意を持った人物がマイナー全体の計算能力の過半数を占めた場合、ブロックチェーンを意のままに改ざんできることを「51%攻撃」と言う。

犯行グループは、「コインベースルール」を変更して、ビットコインキャッシュのマイニングが、ハードフォークへとつながったIFP(Infrastructure Funding Plan=インフラストラクチャー資金計画)税8%の代わりに、IFPに関連付けられたアドレスにブロック報酬の100%を送信するように仕組んだのだ。

ビットコインキャッシュ開発者クリス・トラウトナー(ChrisTroutner)氏によると、100%ブロック報酬はジョークであり、マイナーはソフトウエアを自由にフォークして変更できるが、他のマイナーにそのソフトウエアを実行させることはできないと語っている。

ビットコイン(Bitcoin/BTC)からハードフォークして誕生したビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)が2020年11月15日に再びハードフォークしたことにより、誕生したビットコインキャッシュABC(BCHA)。今回のハードフォークは、8%の課税に対してビットコインキャッシュのユーザーからは不評を買っていた。

51%の攻撃は仮想通貨市場では特に珍しいものではなく、NEXTMONEYでもこれまでに「ハッカーが3度目のイーサリアムクラシックへの51%攻撃を実施」など、イーサリアムでは3度も51%攻撃を受けている。

ロジャー・バー氏が主導で攻撃か?

2019年に、Bitcoin.comは税とNAPに関する教育ビデオをリリースしている。このビデオは、ビットコインキャッシュの熱烈なサポーターと言われているロジャー・バー(Roger Var)氏によってアップロードされている。

Bitcoin.com – Official Channelより画像引用

このビデオと、51%攻撃を仕掛けたvoluntarist.devの声明のには類似点があると指摘されている。しかし、バー氏はありますが、ロジャーバーがvoluntarist.devの一員であるという手掛かりはなく、トラウトナー氏も単にスケープゴートにされていると指摘している。

CoinMarketCap より画像引用

ビットコインキャッシュABCの価格は51%攻撃によって影響を受けておらず、11月30日時点の価格はほぼ横ばいの状態となっており、トラウトナー氏も現在の価格について、BCHA保有者の信念を反映していると述べている。

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