PayPal(ペイパル)がBitGo買収に失敗
NEXTMONEYの10月23日付特集記事「仮想通貨採用の米ペイパル、大手カストディ企業の買収を検討=Bloomberg」で紹介したように、大手メディアブルームバーグ社が、大手決済会社PayPal(ペイパル)が、仮想通貨カストディに特化したBitGo(ビット・ゴー)と買収の交渉中と報じ、追随する様にメディアが報じていた。
この交渉は進んでいるとみられていたが、ここへきて匿名情報筋の話として、Fortune(フォーチュン)が、PayPalによるBitGo買収話は決裂し、他社買収計画を進める方針であることを報じた。
BitGoのマイク・ベルシュ(Mike Belshe)CEO(最高経営責任者)はFortuneとのインタビューで、現在、顧客のために160億ドル、約1兆6,600億円以上の仮想通貨資産を保有しており、毎週いくつかの重要なクライアントを獲得していると述べたほか、他社と同様の話がたくさんあると述べた。
開業以来BitGoは5回に渡る資金調達ラウンドを行い、合計6,950万ドル、約72億円を調達している。資金調達ラウンドに参加した投資家の中にはDigitalCurrency Group(デジタルキュレンシーグループ)とマイク・ノボクラッツ(Mike Novogratz)氏のGalaxyDigital(galaxy・デジタル)社が含まれている。
BitGoのこれまでの経緯
BitGoは2013年から仮想通貨取引所として開業。ビットコイン(Bitcoin/BTC)やその他仮想通貨を、誰でも売買できる場を提供しているものの、Coinbase(コインベース)やKraken(クラーケン)などの企業よりも知名度は低い。同取引所のコアサービスは、機関投資家や裕福層に代わって仮想通貨を安全に保管する保管サービスの提供だ。
昨年、同取引所は、他の税務および貸付サービスを提供するフルサービスの仮想通貨取扱業者として、クライアントが大規模な取引を慎重に手配する手段として、積極的に再定義しようと努めていた。BitGoは「成長モード」であるため現在収益性はないが、非常に健全なバランスシーを備えており、近い将来に資金を調達する予定はないとのこと。
PayPalによるBitGo買収のうわさについては、未確認情報も多く飛びかっていたものの、BitGoは何年にもわたってすべての企業・人と話し合っており、非公開企業は小さな出口を受け入れないと述べた。一方のPayPalは買収交渉についてコメントすることを拒否したものの、同社に近い情報筋はBitGoの交渉が決裂したことを確認し、PayPalは他の潜在的な買収を模索していると付け加えた。