元SECコミッショナー「リップル訴訟は無実の第三者に数十億ドルの損失を引き起こす」
XRPの価格は、証券取引委員会がリップル社および同社の創設者らが、米SECに無許可でXRPを販売したとして訴訟を起こしたことが報じられて以降、その価格に大きな影響を受けている。米SECがリップル社を提訴することを決定してから、XRPの価格は大きく下落し、記事一筆時点で約30円を割り込んでいる状況だ。
リップル社やブラッド・ガーリングハウスCEOらを訴訟する動きについて、SECの元コミッショナーが17日時点でSECに異議を申し立てる書簡を提出したことが分かった。これについて、元SECコミッショナーのJoseph Grundfestは、次のような自身の見解を明らかにした。
最終的な判断に関わらず、単純に取締りを始めるだけではXRP保有者に重大な影響を及ぼす。SECの訴訟する意向が判明した場合、仲介業者は法的リスクを危惧してXRPの取引を停止するだろう。
さらにGrundfest氏は「詐欺や詐称などの申し立てが無いにも関わらず、米SECが単純に規制取り締まりを発表しただけで数十億ドル規模の損失に至った事例は今回が初めてだろう。」と付け加えた。つまり、リップルへの訴訟がどのような結果になろうとも、仲介業者がXRPの取引を停止することで、「無実な第三者」であるXRP保有者にマイナスの影響があることを指摘している。
実際、既に米国の著名投資家Mike Novogratz氏が運営する仮想通貨マーケットメイカー企業Galaxy Digital社や米国のHFT業者JumpTrading社も流動性の提供を一時停止しており、国内でもディーカレットやフォビ・ジャパン等の取引所がXRPの一部サービスの一時停止を発表している。
また、Grundfest氏はSECがビットコインとイーサリアムに対して、有価証券ではないとの見解を示していることから、XRPに対しても同様の扱いをするべきだと公平性をアピールしている。一方で米リップル社は、規制の不透明性を背景に米国からの国外移転を一時期検討しており、有力な候補先として日本も上がっていたが、次期政権への移行が決定した今、移転案は保留となっている。