Ripple(リップル)が貸付業へ進出
数十億ドルのバリュエーションやカードのIPO、XRP仮想通貨との複雑な関係を備えた決済スタートアップのRipple(リップル)が、貸付事業に進出した。
10月9日(金曜)、シリコンバレーを拠点とするフィンテック企業であるRippleは、ブログ投稿で、ODL(On-Demand Liquidity=オンデマンド流動性)サービスを使用している顧客がオンデマンドで資本を調達し、デジタル資産XRPを使用して大規模な国境を越えた支払いができるようになるRippleNetの新ベータサービス向けクレジットライン「Ripple’s Line of Credit」を発表した。
発表の中で同社は、運転資金へのアクセスの制限が多くの企業にとって成長への最大の障壁の1つになっている。バランスシートが大きく、ビジネスを迅速に拡大させる既存企業とは異なり、多くのフィンテックや中小企業は、競争資金とリソースを欠いている。停滞した成長に直面し、顧客は各目市場で、各パートナーとのオーダーメイドのクレジット契約の作成に目を向けていく。各配置には追加のオーバーヘッドと管理が必要であり、時間がかかり、負担が大きく、最終的には非効率的なプロセスになる。
これらを理由に、Ripple’s Line of Creditは、1つの簡単なクレジット契約を通じてすべての市場の資本への事前アクセスを提供する。これによってユーザーの問題を解決し、業績と規模を加速する金融ソリューションへのアクセスが簡素化されると新サービス提供の理由を語っている。
同社の広報担当者によると、貸付スペースで提供される製品をテストするのは今回が初めてとのことで、将来的には、より堅牢な製品を構築することを決定する可能性があると述べている。クレジットラインにより、中小企業は「成長の停滞」に直面する場所でビジネスを拡大することができ、大企業との競争力が阻害されるため、決済プロバイダーのネットワークであるRippleNetでODLを使用している企業は、クレジットでRippleからXRPを購入でき、借りた金額に応じて料金が請求されるとのことだ。
このサービスは、従来の手段と比較して、国境を越えた国際間決済のための低コストな資金調達を容易にするように設計されており、パイロットプログラムを介してRippleNetの顧客によって試行されたと同社は述べている。
ODLは、XRPを「ブリッジ通貨」として使用し、国境を越えた支払いを容易にする。たとえば、イスラエルのサプライヤーに支払う必要があるが、カナダドルをシェケルに交換することをいとわない外国為替ディーラーを見つけられないカナダの企業は、代わりにお金をRippleNet を介することでXRPにすばやく変換できると解説している。また、同じ例で、クレジットラインは、カナダの会社がお金を前払いする必要がないことを意味しており、支払い時にレートを固定して、都合のよいときにリップルに返済するという仕組みを構築させている。