加藤官房長官、デジタル通貨について「必要な検討をすべき」
加藤勝信官房長官は9日 、閣議後の記者会見にて中央銀行デジタル通貨(CBDC)について「必要な検討をすべきだ」と発言したことが日経新聞の報道で明らかになった。また加藤官房長官は続けて、「日銀の検討なども踏まえながら、関係省庁で発行の必要性や金融システムに与える影響について検討を深めていく」述べた。
中央銀行デジタル通貨の発行に関しては以前から検討段階にあることが報じられている。今年7月、日本政府がCBDCを検討していることを公式に掲げ、閣議決定された経済財政運営と、改革の基本方針(骨太の方針)には、デジタル通貨を「各国と連携しつつ検討する」と明記している。
日本銀行は今年1月、6つの主要な中央銀行と協力して電子マネーやCBDCの潜在的な可能性を調査することを目的とした共同研究を行うグループを立ち上げている。このグループは日本銀行を含む、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、スウェーデン・リクスバンク、スイス国民銀行、国際決済銀行(BIS)が参加し、「CBDCの活用可能性の評価に関する知見を共有」することを目的に設立されている。
また今年7月時点で、日本銀行がCBDCの実証実験を本格始動することが報じられており、具体的な発行計画を持っていないものの、デジタル通貨の研究を深める計画段階であることが分かっている。また同月、CBDCに関する実証や検証を進めることを目的に、決済機構局内に「デジタル通貨グループ」を設立している。
このデジタル通貨グループは、神山一成調査統計局長を同局の局長として10人程度の人員によって構成され、デジタル通貨に関するデジタル化やデジタル通貨の特性について検証・実証を進めている。