日銀・決済機構局に神山一成が就任|デジタル通貨グループを率いる
日本銀行は31日、中央銀行のデジタル通貨(CBDC)など金融市場の強化に向けて国際的な市場への対応を強化すべく、「デジタル通貨グループ」を設立されている決済機構局内の決済機構局長に、神山一成調査統計局長を同局の局長に就任する人事を発表した。
これにより、さらなるデジタル通貨グループの実証実験や研究が加速することになる。
日本銀行は今月20日、CBDCに関する実証や検討を一段進めることを目的に、決済機構局内にデジタツ通貨グループを設立した。この新設されたばかりのグループは、研究チームを改組し、組織上の位置付けも明確にされている。また研究グループの人員は現時点で約10名で構成されており、奥野昭夫氏がグループ長に就任している。
グループ長である奥野昭夫氏と、決済機構局長の神山一成氏はこれまで、共に金融政策の企画や立案を担当する企画局の制作企画課長としての経験がある。しかし、実際にどのような内容を研究し、新興技術であるブロックチェーンや昨今、急激に成長を遂げている仮想通貨(暗号資産)の知識についてはどれだけの知識を有しているかは未知数である。
日本銀行がCBDCへ関心を向けたのは、2020年に入ってからである。日本銀行は今年1月、日本銀行をはじめ、カナダ銀行、イングランド銀行、欧州中央銀行、スウェーデン・リクスバンク、スイス国民銀行、国際決済銀行(BIS)という主要な6つの中央銀行らと協力して共同研究を行うグループを立ち上げている。
国際的なデジタル通貨の発行についてグループ内で情報を共有しながら、日本銀行内でも研究を加速し始めている。しかし日銀の雨宮正佳副総裁は29日の講演で、「(CBDCを)現時点で発行する計画はない」と発言しており、技術動向についても「環境変化は非常に速く、的確な対応を準備しながら、一段ギアを上げて検討を進めていく」とコメントを残している。
記事参照:Reuters