日本の金融庁、2025年の税制改革で初めて仮想通貨に言及
金融庁は2025年に税制を全面的に見直す計画を発表し、計画には初めて、仮想通貨資産に関する規定が含まれており、業界の曖昧な税制状況を明確にすることへの期待が高まっている。
金融庁は公式発表で、2025年度の税制改革要望を発表し、「資産所得倍増計画」のセクションで仮想通貨を強調。仮想通貨取引を投資対象として金融資産とみなすべきだと示唆しており、この改革では、損失相殺の範囲をデリバティブ取引にまで拡大することも目指している。
約2年間、国内の仮想通貨ユーザーは、法人税制におけるデジタル資産の認識を求めてきており、金融庁が税制改革案に仮想通貨を含めると決定したことは、金融庁が同業界を正式に認めることに依然として躊躇(ちゅうちょ)していたこれまでの過去数年とは大きく異なる。
新たな税制の到来
日本は仮想通貨に対して比較的寛容な姿勢をとっているものの、規制環境は長い間曖昧な部分が残されてきた。
金融庁は仮想通貨の購買力を認めており、小売ユーザーが取引活動に従事することを許可しているが、仮想通貨は法定通貨とはみなされていない。この二分法は潜在的な投資家の不安感を招き、比較的低い採用率につながっている。2020年に実施された調査では、国内在住者のうち、仮想通貨を使用または所有しているのはわずか4%で、業界に対する当局の躊躇が浮き彫りになった。この低い普及率の理由として考えられるのは、歴史的に仮想通貨に多額の税金を課してきた国内の税制で、多くの人が市場を探索するのを思いとどまらせている。
日本では、仮想通貨で得た利益は雑所得として課税され、20万円を超える利益に対しては最高税率が55%と定められている。一方、法人の仮想通貨保有者は、利益や所得ではなく、保有に対して一律30%の税金を支払う必要がある。新たな税制案では、暗号資産税を20%に引き下げることを提案。税制改革案の主な狙いは、損失相殺の範囲を広げることで、この規定は、2016年に特定の公債と上場株式を対象に拡大された。
需要の高まりに応えて、新たな提案では暗号資産を損失相殺の対象とすることになり、投資家にとって待望の救済策となる可能性がある。現段階で税制改革案に暗号資産が含まれていることは、規制当局が仮想通貨に対してより微妙な見方をし始めていることを示す兆候と言える。