NEM財団がカタパルト実装に向けた声明を発表|既存のチェーンとカタパルトチェーンの同時運用か
NEM財団、ネムスタジオ、ネムベンチャーズ、テックビューロ株式会社により構成されたカタパルト移行対策グループより、現行のNEMブロックチェーンから次世代のブロックチェーンに移行する内容が今月の16日に発表された。
現行のNEMブロックチェーン(N1S1)と今後のカタパルト移行計画
現行「N1S1」は以下の問題点で挙げられている。
- クローズドなネットワーク
- 独自のコンセンサスアルゴリズムPoI(プルーフ・オブ・インポータンス)による、承認者の偏り
- トランザクション処理スピード
NEMは独自のコンセンサスアルゴリズムを取り入れており、ユーザーの貢献度に応じてマイニング報酬が支払われます。しかし、NEMの保有量やトランザクション数に比例した報酬制度では、一部の資産を多く有している投資家に権限が集中してしまうためブロックチェーンの持つ非中央集権という意味では本流から外れてしまうことから、問題として扱われてきました。
これまでのNEMのトランザクションの処理スピードは2件/秒なので、ビットコインやイーサリアムなどのトランザクション処理速度に比べ大幅に遅くなってしまいます。
カタパルト移行内容
- 既存のチェーンとトークンを2種類用意して平行した運用を行う
- 既存のNEMブロックチェーンからカタパルトチェーンへの移行はトークンアローケーション方式を検討
- 移行されるものはXEM、マルチシグアカウント、ルートネームスペース
既存のチェーン以外にカタパルトを実装したチェーンを運用するのは、分散性を担保する為であり、今後はよりフェアで公正な取引実現の為、開発チームの意見も取り入れながら方針を固める予定だ。
コンセンサスアルゴリズム
新しく実装されるコンセンサスアルゴリズムはPoS+(プルーフ・オブ・ステークプラス)が予定されており、XEMの保有量の少ないユーザーに対してはNEMネットワーク内の貢献度スコアの反映が大きくなるように設定し、XEM保有料の多いユーザーに対しては貢献度スコアの反映が少なくなるように設定されるようで、PoSやPoIの一部の権力に富が集中する仕組みを改善したようなアルゴリズムになっている。
NEM財団の発表に対して開発チームやコミュニティがどのように反応するのかというところに今後焦点が当てられそうだ。現在はGoogleフォームからパブリックコメントの募集をかけており、カタパルト移行内容に反映される予定である。