三菱UFJ、米Akamaiとブロックチェーン決済サービスを2021年に開始
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)が、ブロックチェーンを活用した高速・大容量の決済ネットワークサービスを2021年に始めることが分かった。
今回の取り組みは、アカマイ・テクノロジーズ(以下:Akamai)と共同で設立した子会社「Global Open Network株式会社」で始めることになっており、事業はMUFGが8割、Akamaiが2割出資するグローバルオープンネットワーク(GO-NET)である。
来年以降の具体的な活動内容としては以下のようなものが計画されている。
- 2021年2〜3月にセイコーホールディングス子会社のセイコーソリューションズの決済端末「クレピコ」の決済センターと、クレジットカード会社間の通信サービスを開始
- 自動販売機でクレジットカードをかざす「タッチ決済」などの少額決済の開始ブロックチェーンにAkamaiの技術を使うことで、従来4〜6円ほどだったトランザクション手数料が5分の1まで引き下げられる他、新サービスでは1秒間に10万件が処理でき、今後は1000万件まで拡張する予定であり、一般的なクレジットカードの決済処理速度を大幅に上回っている。
新会社が設立された背景には、IOT時代の情報社会における新決済サービスを提供することが軸にあり、高速決済機能もこれからのマーケットの特徴を捉えた設計になっている。今後IOT機器が世界中端末や家電、モビリティに搭載された場合、決済を行う主体は人だけではなく、全てのソリューションに広がってくる。これらの決済処理をスムーズに行うためには当然、高スループットの決済処理が必要になり、セキュリティ面に関しても万全に行わなくてはならない。
MUFGは当初は独自のデジタル通貨「coin」を2020年度下期に発行することを見据えていたが、現段階ではまだ発行の報告はされておらず、発行時期も未定とされている。リクルートグループと共同で進めている 。「coin」の利活用に関する取り組みについても、従来の2019年中の運用開始予定から大幅に遅れているが、コロナの影響で社会的な必要性が高まっていることがデジタル通貨発行への追い風になるだろう。
記事参照:日経新聞