QuadrigaCX管財人、約1.7億ドルの損害金額を準備できず

QuadrigaCX管財人、約1.7億ドルの損害金額を準備できず

現在は廃止されている仮想通貨取引所QuadrigaCXの管財人であるアーンスト・アンド・ヤング(EY)社は、1億7,100万ドル相当の請求を受けたにもかかわらず、請求者に分配する資金が約2,980万ドルしかないことを明らかにした。管財人が5日、オンタリオ州上級裁判所に第7回目の報告書を提出したことで破産管理の最新情報が判明した。

管財人はQuadrigaCXに資金を預けていた顧客から合計42,957の請求が提出された。内容については仮想通貨と法定通貨の複数の通貨に対して提出されている。この裁判所の申し立てにて債権者は、約9,020万ドルのカナダドル、2万4,427BTC、6万5,457ETH、8万7,031LTC、7,723BCH、1万7,934BTG、7,098BSVなど、600万ドル以上の仮想通貨が含まれている。

また管財人は、QuadrigaCXの創設者であるジェラルド・コッテン氏が、76,000人の顧客資金を使って取引を行ったことが、資産と負債の間の不一致の一因となった可能性があると述べている。実際に昨年6月、管財人が顧客資金が複数の取引所へ送金されていたことを報告している。

QuadrigaCX創業者の死と、未亡人からの資金回収

コッテン氏は2018年12月に亡くなり、取引所はその数ヶ月前から支払能力の問題の深刻化に直面し、その後の調査によって、取引所の資金の多くが、悪名高いシャドウバンクであるCrypto Capitalの手に渡っていたように見えることが明らかとなった。

EYはこれまでに、コッテン氏の遺産から資産を売却し、コッテン氏の未亡人と和解して、取引所が使用していたサードパーティーの決済会社から資金を回収することで、2,980万ドルを集めた。

管財人は、回収されたすべての資産をカナダドルへと変換し、QuadrigaCXが破産宣言をしたとき、またはユーザーが取引所へのアクセスをブロックされたときのいずれかから、仮想通貨の価格に基づいて、ユーザーに資金を配分する予定。現在EYは、転換率に使用する日付を決定するよう裁判所に要請しているようだ。