ネム財団やリップル社など4社、欧州規制当局への正確な情報提供を目的に新団体を設立

ヨーロッパでは、仮想通貨やブロックチェーン技術に対しての取り締まり方針が国によって大きく異なっていたり規制が明確ではないといった現状を打破するために、ブロックチェーン業界を代表するRipple(リップル)NEM(ネム)、EMURGO(エマーゴ)、Fetch.AI(フェチ・エーア)という4つの企業はBlockchain for Europe(ブロックチェーン・フォー・ヨーロッパ)と呼ばれる団体を設立した。

この団体は、European Union(ヨーロッパ連合)でDLT(分散型台帳技術)や関連する技術への理解を深め、規制当局に正確な情報を提供することによりヨーロッパに健全で新しい技術の進化を促進することができる規制環境を構築することを目的としているという。

ネムとリップルの見解

NEMはオフィシャルブログで、ヨーロッパにおける政策会議にはブロックチェーン業界に携わっていない人達による不正確な情報が含まれていることがあり、現状そのような中で合意に達することに挑戦する必要があると述べている。

また、ヨーロッパNEM財団の共同設立者Kristof Van de Reck(クリストフ・ヴァン・デ・レック)氏は、偏見のない情報の必要性を以下のように主張している。

「現在、DApps(分散型アプリケーション)やブロックチェーン技術に関する偏りのない情報が不足していると感じている。」

「我々は、他の企業や利害関係者と手を取り合い、情報が特定の組織や企業、利害関係者の行動計画にあったものではないということを伝え、現在ある誤解を解くことを目標としている。」

さらに、Rippleのヨーロッパにおける規制当局の責任者Dan Morgan(ダン・モーガン)氏は、この度のBrockchain for Europeの結成について「我々RippleはBlockchain for Europeの創設メンバーの一員となれたことを誇りに思う。ヨーロッパの規制当局がブロックチェーン技術と仮想通貨のメリットを活かすことができる様な規制の枠組みを作り上げる上で、今は非常に重要な時期であると言える。」と語っている。

新団体の目的とは

Blockchain for Europeは先月下旬にすでに4つのヨーロッパ議会団体とのカンファレンスを主催しており、世界中のいたるところから仮想通貨やガバナンス、医療などさまざまな分野から起業家や専門家が集まり、ブロックチェーン関連企業と規制当局の直接的な対談の場が設けられたという。

またその他にも、ヨーロッパ議会のギリシャ代表であるEva Kaili(エヴァ・カイリ)氏らがブロックチェーン技術を活用したイノベーションの芽を摘んではならないとヨーロッパ連合で呼びかけを繰り返している。

仮想通貨、ブロックチェーン業界でリーダーシップを発揮している4つの企業が協力することにより、ヨーロッパ諸国はいままでよりブロックチェーン業界に対し寛容な地域として業界を牽引していくことになるだろう。