VisaがConsenSysと提携してプラットフォームをテスト
クレジットカード会社大手Visaは、中央銀行のデジタル通貨をサポートすることを目的としたブロックチェーン会社であるConsenSysと提携し、プラットフォームをテストしていることが明らかになった。
公式発表によると、最終目標は、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)ネットワークが従来の金融サービスプロバイダーへシームレスに接続できるようにすることであるとのこと。また、VisaはConsenSysと提携することで、銀行や企業が既存のモジュールにプラグインし、インフラストラクチャーをシームレスに統合。CBDCにリンクされた支払いカードなどを発行できるプラットフォームを目指しているという。Visaは、世界中の約8,000万の加盟店で受け入れられており、開発中のプラットフォームが成功すれば、中央銀行と金融機関の間のギャップを埋めるのに役立つ可能性があると期待されている。
複数の中央銀行とCBDCテストを実施のConsenSys
今回Visaが提携を行なったConsenSysはこれまで、香港やオーストラリアなど、いくつかの中央銀行と協力してCBDCのテストを行っているという実績を持っているとのこと。
VisaのCBDC責任者であるキャサリン・グ(Catherine Gu)氏は次のように語った。
私たちは、今日の支払い方法に非常に馴染みのあるユーザーエクスペリエンスを想定しています。CBDCネットワークが既存の銀行アプリにシームレスに統合されている場合、チェックアウト時にCBDCにリンクされたVisaカードを使用できます。プラットフォームの開発が成功すれば、CBDCは金融サービスへのアクセスを拡大し、政府の支出をより効率的で的を絞った、安全なものにできます。これは政策立案者にとって魅力的な提案です。
Gu氏によると、中央銀行はCBDCエコシステムに安定性、回復力、セキュリティを構築することに重点を置く必要があると考えており、エンドユーザーと従来のインフラストラクチャーとのCBDC統合も考慮に入れる必要があるとの見解を示している。
ライバル社もConsenSysとCBDCテストプラットフォームを立ち上げ
一方で、VisaのライバルであるMastercardは2020年12月、今回同様イーサリアムソフトウェア企業であるConsenSysと提携し、今回と同様のCBDCテストプラットフォームをすでに立ち上げている。
大西洋評議会(Atlantic Council)の調査によると、現在、87カ国が独自CBDCを調査しており、中国や韓国などの主要経済国を含む14カ国がすでにパイロット段階にあり、9カ国はすでにCBDCを完全に立ち上げている。