中国の独自仮想通貨、アリババなど7つ企業が最初に使用か

中国の独自仮想通貨、アリババなど7つ企業が最初に使用か

2019年8月28日、アリババとテンセントを含む7機関が中国の独自仮想通貨を使用するだろうと、情報メディアサイトForbesが報じた。研究機関の元従業員が匿名の条件の下でForbesに情報を提供した。

情報によれば、中国独自仮想通貨は、アリババ・テンセント・ユニオンペイ(中国銀行協会)・中国工商銀行(世界最大の銀行)・中国農業銀行・中国銀行と、あと1つの機関(中国建設銀行か?)が、まず始めに受け取るとのこと。発行が予定されている8番目の機関も存在するが、こちらは情報提供者が発言を拒否したため、完全に不明である。

情報提供者によれば、今年11月11日(中国人の爆買いが有名)が発行予定とされる。そして、受け取った機関は、その通貨を貯めこむことなく、13億人の中国市民と、人民元を使用してビジネスをしている他国に対して、分散させる責任があるとも語った。中国政府は西側諸国のコルレス銀行(国際決済の中継銀行・日本なら三菱UFJ銀行)を通じて、最終的に米国やその他の地域でも中国独自仮想通貨が利用可能になることを望んでいると語った。米ドル主流の経済を変えようとしている中国の思惑がはっきり見て取れるが、情報提供者は「それは計画中のことなのですぐに実現できるわけではない」としている。

イングランド銀行総裁、「米ドル準備金を仮想通貨にするべき」発言

2019.08.27

Forbesの記事では、2012年まで中国建設銀行に勤務していたポール・シュルテ氏が、先日行われたジャクソンホール会議において、カーニー氏が「中国独自仮想通貨」を「リブラ・SHC」と区別したことにも言及している。ポール氏によれば「カーニー氏は、リブラは初期段階に過ぎす、SHCはそれよりも進んでいないと考えている」と述べている。

中国政府とハイテクプレイヤー集団

アリババとテンセントは中国規制当局がブロックチェーン技術の開発とビジネスを許可した企業だ。アリババはブロックチェーン使用の「アリババクラウド」を、テンセントは独自のブロックチェーン「TBaaS」を開発。特にテンセントはブロックチェーンのトレンドセッターとして積極的に活動している。

今月5日には、国際銀行グループスタンダードチャータードとLinklogisによるブロックチェーンサプライチェーン取引が話題になったが、これにはテンセントの技術が使われている。他にも領収書を発行するシステムでも利用が進む。

2020年はブロックチェーンと5Gがネットを支配すると言われている。ブロックチェーン技術が市民レベルで根付き始めた中国なら、政府が後ろ盾となった仮想通貨が広く普及する可能性は大いにある。