仮想通貨取引所BullishがIPO規模を拡大
機関投資家向け仮想通貨取引所として独自ポジションを確立しているBullish(ブリッシュ)は、仮想通貨関連企業の上場が増加する中、IPO(新規株式公開)規模を9億9,000万ドルに引き上げ、時価総額48億ドルを目指していくことが分かった。
ケイマン諸島に拠点を置く仮想通貨取引所Bullishは、IPOの規模と価格帯を拡大し、潜在的な取引規模を約6億2,900万ドルから9億9,000万ドルに引き上げると発表。SEC(米国証券取引委員会)への提出書類によると、3,000万株を1株当たり32~33ドル(約4,750円)で発行する予定だ。BlackRockやARKなどの主要投資家は、最大2億ドル(約296.9億円)相当の株式を購入する予定とみられている。
同取引所は以前、28ドルから31ドルの間で2,030万株の新規公開を目指していた。このSECへの非公開の提出書類は2カ月前に公開され、更新された価格帯の上限では、Bullishの時価総額は約48億ドルに達すると予測されており、以前の推定約42億ドルから増加している。
仮想通貨セクターではIPOなどで上場する企業が増加
最近、仮想通貨セクターでは、IPO、合併、逆買収を通じて上場する企業が増加している。
この傾向に貢献している要因の一つにステーブルコイン発行会社サークル(Circle)が2025年6月にIPOを成功させたことがある。このIPOは12億ドル(約1,781.5億円)を調達し、市場価値の急上昇を促した。仮想通貨アナリストは、仮想通貨の上場申請件数の増加について、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)政権による好意的な政策と、サークルでみられるような市場の好材料によるものだと分析している。
Bullishの30億ドルの資産基盤とステーブルコイン計画
注目しておきたいのは、Bullishが24,000ビットコイン(Bitcoin/BTC)、12,600イーサリアム(Ethereum/ETH)、4億1,800万ドル(約620億円)相当の現金とステーブルコインを含む30億ドル(約4,453.8億円)以上の流動資産を保有しており、DeFi(分散型金融)へのエクスポージャーは限定的な点だ。
提出書類によると、同社はIPOによる調達資金の一部を、1社以上の発行体と提携し、米ドルにペッグされたステーブルコインに転換する計画だ。