XがオーストリアでのAIトレーニングをめぐりEUの調査に直面
イーロン・マスク(Elon Musk)のXは、AI(人工知能)データの無許可使用疑惑でEU(欧州連合)の調査に直面している事がわかった。
"It seems the DPC was concerned with so-called ‘mitigation measures’ and a lack of cooperation by Twitter. The DPC seems to take action around the edges, but shies away from the core problem."
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— noyb (@NOYBeu) August 12, 2024
「DPCは、いわゆる『緩和策』とTwitter社の協力不足を懸念していたようだ。DPCは周辺的な対策は講じているようだが、根本的な問題からは目を背けているようだ。」
マックス・シュレムス(Max Schrems)氏が率いるオーストリアのプライバシーNGOグループ NOYBは、NOYBは、XのAIトレーニングがEUユーザーデータを同意なしに使用することでGDPRに違反していると主張している。EUの厳格なプライバシー規則に違反したとしてオーストリア当局に苦情を申し立てたことで、Xは現在、オーストリアでデータプライバシー法違反の疑いで調査を受けている。さらに、同グループは、データプライバシー慣行の監視を強化しており、アイルランドDPCに圧力をかけるため、9つのEU当局にGDPR苦情を申し立てている。
NOYBの苦情は、同プラットフォームがEUユーザーの同意なしに個人データを処理し、2024年5月7日から2024年8月1日までに収集されたデータを含むAIモデルのトレーニングに使用していたと主張。NOYBは、XがGDPRで義務付けられているようにユーザーに通知したり、データ処理の同意を求めたりしなかったと述べている。この擁護団体NOYBは、EUのプライバシー規則の尊重を保証するためにオーストリア当局による調査を求めている。
同時に、EUにおけるXの主導規制機関DPC(アイルランドデータ保護委員会)も同プラットフォームに対して訴訟を起こした。DPCは、同社の活動がGDPRに準拠していないと主張したうえで、マスク氏がユーザーデータをAIトレーニングに使用することに対する差し止め命令を裁判所に求めている。この法的措置は、欧州各地でテクノロジー大手による個人データの取り扱いに対処するための同様の動きと合致している。
法的圧力の中でAIトレーニングが一時停止
法的圧力が高まる中でXは2024年8月8日(木曜日)、AIトレーニングのための欧州ユーザーデータの使用を一時停止することに同意した。
これはアイルランド高等裁判所に伝えられたが、同意撤回前に収集されたデータがどのように扱われるかという問題は解決されておらず、プライバシー活動家にとって部分的な勝利とみなされているが、NOYBはデータ処理の法的有効性が解決されていないと不満を述べている。とはいえ、Xによって処理されたデータの運命は依然として議論の対象となっており、オーストリアに加え、NOYBはベルギーとフランスでもプラットフォームに対して苦情を申し立てている。
Xに対するDPCの法的措置は、AIトレーニングのための人々のデータの使用を含む、大手テクノロジー企業に対する欧州規制当局からの圧力の高まりと一致。2024年 6月には、同様の懸念から、DPCはMeta(メタ)社に対し、欧州でのAIプロジェクトを一時停止するよう命じている。現在、Xは同様の問題に直面しており、これらの法的措置の結果は、EUにおけるAI規制のさらなる発展に重大な影響を及ぼす可能性がある。