SECが未登録証券売却で仮想通貨企業ジェネシスとジェミニを起訴

SECが未登録証券売却でジェネシスとジェミニを起訴

SEC(米国証券取引委員会)は1月12日(木曜日)、仮想通貨レンディングのGenesis(ジェネシス)とウィンクルボス兄弟が設立した仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)を、無登録証券の販売の疑いで起訴したことが明らかになった。

ジェミニは2021年2月、ジェネシスと提携し、顧客がジェネシスに仮想通貨を貸した場合、最大8%の利回りを宣伝する新商品「Earn」を発表。ジェミニは、ジェネシスが投資家に払い戻したリターンから4.29%という高いエージェント料を控除しながら、投資家とジェネシス間の取引を促進するエージェントとして行動したと、SECは告発を発表した声明の中で述べている。

SECによる提訴はFTXが発端か

FTX危機の際、ジェネシスは仮想通貨市場の暴落の結果、清算が不十分であることを理由に引き出しを無効にしており、その後、投資家は今日に至るまで資金を引き出せていない。

ジェミニは、元オリンピック選手のキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏とタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏の双子の兄弟が2015年に設立した会社である。フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏が同兄弟とハーバード大学の同級生ディヴィア・ナレンドラ(Divvya Narendra)氏からソーシャルネットワークのアイデアを盗んだと訴えていることで知られている。

また、SECによるとこの無登録の募集を通じて、ジェネシスとジェミニは数十万人の投資家から数十億ドル相当の仮想通貨を調達したと主張している。実際、当局は、ジェネシスが11月にジェミニの投資家に対して、引き出しを許可するのに十分な流動資産を持っていなかったことを理由に、仮想通貨を引き出すことを許可しないと発表したことを追加している。

ジェミニのEarnプログラムはその後終了し、投資家はまだ仮想通貨を引き出せない状態である。SECは告発文書で、ジェミニのEarnプログラムは、適用法の下で証券の提供および販売を構成し、委員会に登録されるべきであったと述べた。一方で、今回の告発は、11月に破産手続き中のサム・バンクマン‐フリード(Sam Bankman-Fried)氏のFTXが破綻したことを受けて行われたものであり、FTXがことの発端とのこと。