FDICが銀行に仮想通貨活動を「一時停止」するよう要請
2024年12月6日(金曜日)、コロンビア特別区の米国地方裁判所に提出された書類で、裁判所は、FDIC(Federal Deposit Insurance Corporation:米・連邦預金保険公社)職員がさまざまな米国銀行の取締役会に送った「一時停止書簡」を名前を伏せた状態で公開している。
FDICに対するFOIA(情報公開法)訴訟で提出された裁判所文書には、米国の規制当局がデジタル資産をめぐる不確実な規制に対応して、金融機関に「すべての仮想資産関連活動を一時停止する」よう要請したことが示されている。この要請に対し、大手仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)は、米国の金融規制当局が仮想通貨銀行業務を妨害していると非難。同取引所のポール・グレワル(Paul Grewal)CLO(最高法務責任者)は、これらの書簡は、米国政府が企業の銀行業務を停止させようとしているとされる行為が「単なる仮想通貨陰謀説ではない」ことを示す証拠であると主張している。
この訴訟の過程で、調査会社History Associates(History Associates)はFDICの内部通信にアクセスし、規制当局がデジタル資産分野での製品やサービスの提供または検討を貸し手に停止させていることが明らかになったとレポートは述べており、規制当局は同取引所によって共有された23通の書簡の1つに以下のように記されている。
私たちは、すべての仮想資産関連活動を一時停止するよう謹んでお願いする。FDICは、規制当局への提出の必要性を含め、暗号資産関連活動に従事することに対する監督上の期待が決定された後、FDIC監督下にあるすべての銀行に通知します。
仮想通貨業界が米国の銀行サービスから締め出されている事を証明
仮想通貨業界は長年、米国の銀行サービスから締め出されていると主張しており同COLは、FDICの文書は、規制当局によって暗号ビジネスが銀行業界から締め出されたことを証明していると主張したうえで、CoinDeskに対して次のように語っている。
手紙は、これがまったく陰謀説ではなく、単なる憶測や偏執的な業界の思索ではなかったことを示しています。FDIC側には、合法的な米国の業界への銀行サービスを拒否するという、躊躇(ちゅうちょ)することなく実行された計画がありました。これは誰もが大いに考え直すはずです。
このニュースは、コインベースと協力している調査会社History Associatesが6月にSEC(米国証券取引委員会)を提訴した裁判文書を引用したCoindeskの金曜日(12月6日)のレポートによるものであり、この裁判所への提出は、History Associatesが6月に起こしたFOIA訴訟の一部である。SECが起こした執行措置にも関与している仮想通貨取引所コインベースは、仮想通貨企業の銀行取引停止の疑惑についてFDICにFOIA要求を提出するために同社を雇った。要求は却下され、訴訟につながった。