テザー(Tether)がLayerZeroに出資、USDTのクロスチェーン戦略を加速

TetherとLayerZeroのロゴを背景に、USDTのクロスチェーン展開と相互運用性強化をイメージしたビジュアル

相互運用技術を軸に実世界決済とAI金融を見据える

テザー(Tether)は相互運用性プロトコルを手がけるLayerZero Labsに戦略的投資を実施した。

USDTのマルチチェーン展開を支える基盤を強化し、実世界での決済やトークン化資産の活用を拡大する狙いがある。投資額は公表されていない。今回の出資は、ブロックチェーン間の相互運用を担うインフラへの本格的な支援だ。LayerZeroは異なるネットワーク間でデジタル資産を安全かつ効率的に移動させる技術を提供しており、チェーンごとに分かれていた流動性をつなぐ役割を担う存在だ。

テザーのパオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)CEO(最高雄経営責任者)は「テザーは既に実世界で実用化されているインフラに投資している」と述べた。そのうえでLayerZeroについて「あらゆるトランスポート層と分散型台帳間でデジタル資産をリアルタイムに転送できる相互運用性技術を構築し、金融業界における基本的な実用化を実現した」と評価している。

LayerZeroは2022年3月のシリーズBラウンドで1億3,500万ドル(約206.6億円)を調達し、評価額は10億ドル(約1,530.8億円)に到達した。現在は150以上のブロックチェーンにまたがるアプリケーションを支援している。

USDT0が示すオムニチェーン展開

LayerZeroの技術は、USDTのオムニチェーン版であるUSDT0を支える中核にもなっている。

USDT0はLayerZeroのOmnichain Fungible Token規格に基づいて発行され、USDTと1対1の裏付けを維持する。2025年初頭のローンチ以来、700億ドル(約10.7兆円)を超えるクロスチェーン価値移転に利用された。USDTの時価総額は約1,850億ドル(約28.3兆円)。15以上のネットワーク上で運用され、年間で数兆ドル規模の取引を処理している。こうした規模を背景に、チェーン間をまたぐ移転基盤の整備は避けて通れないテーマとなっている。

テザーはさらに、AI(人工知能)エージェントが自律型ウォレットを運用し、ステーブルコインを使って大規模なマイクロペイメントを行うエージェント金融への応用も視野に入れる。LayerZeroの相互運用基盤とテザーのウォレット開発キットを組み合わせることで、決済や保管を含む基礎レールの高度化を図る構えだ。

テザーは直近でもUSDT決済プラットフォームt-0ネットワークへの出資や、Gold.comへの1億5,000万ドル(約229.5億円)投資、Anchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)への1億ドル投資を発表している。LayerZeroへの出資は、ステーブルコインの実利用を一段と広げる流れの延長線上にある。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム