3ACが清算処理に突入へ
仮想通貨ヘッジファンドの3AC(Three Arrows Capital)が、清算処理(負債の生産)に突入したと報じられたことが明らかになった。
メディアの報道によると、ス・ズー(Su Zhu)氏とカイリー・デビエス(Kyle Davies)氏が共同で設立したシンガポールに拠点を置く3ACは、会社の清算を処理するために、英領ヴァージン諸島のTeneo Restructuringにラインアップされているとのこと。そのユニットの1つが、融資を返済できないとして3ACに債務不履行通知を発行したとみられており、融資額には15,250BTCと3億5千万ドルのUSDCが含まれており、負債の総額は約6億6千万ドル(約898億円)相当に上るとみられる。
資産はすべて債権者に順次売却へ
清算とは、負債やその他の金融債務を返済できないため、事業を正式に停止することを指し、会社が保有する資産はすべて、未払いローンを抱えるさまざまな債権者に順次売却される。
今回の清算は、急成長する仮想通貨分野の展望を占う重要な瞬間となる可能性があると示唆されているが、3ACの債権者にとって、当面の金銭的な影響がどうなるかは明らかになっていない。3ACにとって危機的状況は、5月のLUNAとUSTの破綻から始まっており、3ACは投資家から資金を買い取り、Anchorプロトコルに預けていたとのこと。3ACはこれらのプロジェクトの崩壊後、約2億ドル(約272億円)の損失を負担し、デビエス氏はウォールストリートジャーナルに「テラ、ルナの破綻はわれわれに大きな衝撃を与えた」と語っている。
実際、3ACの債務超過の噂は、仮想通貨市場が18カ月以上の最低水準に急落した今月初めに出回り始めており、同社はビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)などの仮想通貨に複数のローンを保有していたことで、市場がクラッシュしたときにいくつかの債権者からマージンコールに直面していた。また、今回の3ACの破産を受けて、仮想通貨投資家のサミ・ルサニ(Sami Rusani)氏は、仮想通貨業界をよりよくするためには、より多くの規制が必要であるとの見解を示した。
さらに、米国の上院議員シンシア・ルミス(Cynthia Lummis)氏とキールステン・ジルブランド(Kirsten Gillibrand)氏が提案した、さまざまな仮想通貨を別々のカテゴリーで規制する仮想通貨法案にも影響を与える可能性がある。