BitFlyer共同創業者加納雄三氏が経営課題解決のため復活を目指す

BitFlyer共同創業者加納雄三氏のCEO復帰計画

日本の仮想通貨取引所BitFlyer(ビットフライヤー)の共同創業者である加納雄三氏は、3月までに予定されている同社の株主総会でCEO(最高経営責任者)に復帰する計画を明らかにした事がブルームバーグの報道によって判明した。

報道によると、加納氏は同社をめぐる現在の経営陣と株主との間の論争をIPO(新規株式公開)で解決しようとしている。2019年に辞任した後も、同取引所の筆頭株主である同氏は、依然としてビットフライヤーに大きな影響力を持っており、CEO辞任後も同取引所の株式の40%を保持している。

同氏は、CEOとしての復帰は、国際的な舞台への会社の成長を加速させるだろうと主張している。

日本のWeb3の成長を加速するために復帰を計画する加納元CEO

250万を超える顧客を抱えるBitFlyerは、日本最大の仮想通貨取引所の1つで、同社は最近、国際的な競争相手の多くが日本市場から離れているのを目の当たりにしている。

例えば…、2022年12月28日に同じく仮想通貨取引所であるKraken(クラーケン)は、2023年1月までに日本での事業を停止すると発表。また、1月18日にはCoinbase(コインベース)は2023年までに日本での事業を停止する計画を発表している。これらトップの仮想通貨取引所が日本の仮想通貨市場から撤退することで、BitFlyerはその活動をするためのより多くのスペースを確保できると考えているとみられる。

BitFlyer元CEOの復帰には内部紛争が足かせか

加納元CEOの同取引所への復帰には一部の内部紛争が足かせになっているとみられている。

同氏によると、BitFlyer はイノベーションのない会社で、改善が必要な問題を指摘し、虚偽報告や職務怠慢など、問題を引き起こした人々を叱責することで、それ等の流れを変えようとしている。同氏はCEO を辞任後、同取引所が革新的であることや新製品を導入することをやめたと述べている。

しかし同氏は、日本でのWeb3開発を加速するアプローチを採用することで、この状況を変えようと計画しており、日本を仮想通貨エコシステムの巨人として再浮上させ、国際競争に加われるよう計画しているとのこと。さらに同氏は、大手メディアブルームバーグとのインタビューで、同取引所にステーブルコインを導入し、トークン発行サービスを構築するつもりだと語っている。また、今後数カ月のIPO(新規仮想通貨発行)計画と並行し、BitFlyerブロックチェーンをオープンソースに変更したいと考えだ。

IPOは、非公開会社の株式を初めて株式発行で公開するプロセスで、これによって同社は一般の個人投資家や企業投資家から株式資本を調達ができる。このイニシアチブは、同取引所の成長を加速し、事業を他の仮想通貨セクターに拡大するための同氏の戦略の一部である。

厳しい規制は日本を仮想通貨の世界モデルに

内部紛争に加えて、BitFlyerの経営上の問題は、2019年に日本金融庁によって課された厳しい規制政策から部分的に発生した。

金融庁は、マネーロンダリング(資金洗浄)ポリシーを見直す取り組みの一環として、2019年5月に仮想通貨取引所の取り締まりを開始。これらの行動は、日本の多くの仮想通貨取引所や新興企業に圧力をかけている。報告によると、日本は仮想通貨取引の登録システムを実行した初の国としても知られている。