Circleがステーブルコインファイナンス向けレイヤー1ブロックチェーン「Arc」をローンチ

ステーブルコイン特化の新しいレイヤー1ブロックチェーンを象徴する未来的なネットワークイメージ

ステーブルコイン特化の新たな基盤

USDCの発行元であるCircle(サークル)社は、ステーブルコイン決済・外国為替(FX)・資本市場向けに設計したEVM(Ethereum Virtual Machine:イーサリアム仮想マシン)互換のレイヤー1「Arc」を発表した。

Arcは規制遵守を前提に、1秒未満の決済確定(ファイナリティ)、オプトインのプライバシー機能、許可型PoA(Proof-of-Authority)検証を備える。USDCをガスとして用いることで手数料の安定性を確保し、今秋のパブリックテストネット開始を経てメインネットベータでコア手数料設計とFXエンジンを実装する計画だ。

USDCガストークン採用からローンチまでの概要

ArcはネイティブガスにUSDCを採用し、統合ステーブルコインFXエンジンを搭載。ガス価格の変動リスクを排し、企業や金融機関がコストを見通しやすい取引環境を提供する。

Circleのプラットフォームと完全統合し、複数のパートナーブロックチェーンとの相互運用性を維持する。トランザクション金額の秘匿などオプトインのプライバシー機能を備え、アドレスの可視性は確保する。

今後のアップグレードとして、暗号化メモリプールやバッチ処理などのMEV軽減技術、許可型Proof-of-Stakeガバナンスへの拡張を予定する。

ロードマップ

今秋にパブリックテストネットを開始。メインネットベータでは1秒未満のファイナリティ、コア手数料アーキテクチャ、FXエンジンを実装する。Arcはステーブルコインファイナンスのために特別に構築され、インターネット金融システム向けのフルスタック基盤を目指す。

Circleの業績と市場環境

2025年第2四半期の総収益・準備金収入は前年比53%増の6億5,800万ドル。USDC流通量は期末時点で前年比90%増の613億ドル、8月10日時点で652億ドル。IPO関連の非現金費用(総額5億9,100万ドル。うち株式報酬4億2,400万ドル、転換社債の公正価値増加1億6,700万ドル)により純損失は4億8,200万ドル。調整後EBITDAは1億2,600万ドルで前年同期比52%増。

プロダクトと提携

6月に12億ドルのIPOを完了。5月にCircle Payments Network(CPN)を立ち上げ、4つの決済経路を提供し、100以上の金融機関との提携を予定。7月にはUSDC残高の統合とチェーン間即時流動性を提供するCircle Gatewayをテストネットで導入。Binance、Corpay、FIS、Fiserv、OKXとの新規提携も公表された。発表後、CRCL株は市場前取引で8%以上上昇し、161ドルから174ドル前後へ。

規制と市場環境

米国ではGENIUS法が成立し、決済用ステーブルコインの連邦規則が明確化。ステーブルコイン市場規模は2,820億ドル超。こうした環境下で、Arcは国際送金、FX、資本市場、現実世界資産(RWA)のトークン化を含むユースケースを想定した決済レイヤーとして設計されている。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム