FSAデンマークがサクソ銀行に対して保有仮想通貨の売却命令を発布
FSAデンマーク(Danish FSA:デンマーク金融監督庁)は、サクソ銀行(Saxo Bank)に対し、仮想通貨取引への関与は法律で認められていないとして保有する仮想通貨を手放すよう要求した事が分かった。
FSAデンマークは2023年7月5日(水曜日)付けの声明の中で仮想通貨保有株の売却命令を公表。マルチアセットブローカーによる自己口座でのデジタル資産の取引は、投資銀行の“合法的な活動領域”から外れていると指摘した。オンライン取引と投資を専門とする銀行としてサクソ銀行は、株式、債券、商品、外国為替、差額契約、法定通貨、仮想通貨のオンライン取引を含む幅広い金融商品とサービスを提供している。
仮想通貨取引はデンマーク金融業法のサポート対象活動の一部ではない
FSAによると、コペンハーゲンに本拠を置く同銀行は、デジタル資産商品に関連する市場リスクに見合った仮想通貨をヘッジしているものの、規制当局は、仮想通貨取引はデンマーク金融業法の付録1に記載されているサポート対象活動の一部ではないと指摘し、次のように述べている。
仮想通貨の無規制取引は金融システムへの不信感を生み出す可能性があり、デンマーク金融庁は仮想通貨取引を合法化することは不当であると判断。したがって、この活動は財務の安定を理由に補助的な銀行活動として受け入れることはできない。
同当局は、欧州連合で最近可決されたMiCA(仮想通貨規制)が完全に施行されるのは2024年12月30日であり、金融機関間の仮想通貨取引は「当面は規制されていないままである」と指摘。これに対してサクソ銀行側は声明の中で、顧客は所有することなく仮想通貨にエクスポージャーを得ていると指摘したうえで、次のように反論している。
われわれは、金融監督当局の決定を当然考慮しており、それを徹底的に読んで、それにどのように対応するかを検討する。