インド政府は仮想通貨を法的に禁止するよりも課税を支持か

インドは仮想通貨禁止より課税を選択か

ある情報筋によると、インド政府の税務部門は、仮想通貨を禁止するよりも、むしろ課税を支持しており、近い将来課税の方向性を選択するのではないかとメディアに語っている事が分かった。

インドは長い間仮想通貨に対して否定と肯定を繰り返しており、インド中央銀行のシャクティカンタ・ダス(Shaktikanta Das)総裁は、仮想通貨が大きな懸念を引き起こしているとの見解を示していた。実際、今年の3月にはインド政府が仮想通貨を禁止する法案を提案することが報じられており、同法案は、仮想通貨の保有、発行、マイニング、取引、送金など全てを禁止するという内容であり、ダス氏は次のように語っている。

私たちは仮想通貨に大きな懸念を抱いています。中央銀行が投資家に対して投資アドバイスをすることはありませんが、投資対象をよく精査し、自身の投資に対して注意深く判断を行うのは投資家の責任です。

なお、インド国内で仮想通貨禁止と撤回に関連したNEXTMONEYの特集記事は以下の通りである。


仮想通貨を資産クラスとして扱うか議論

税務部門は、インド国内の仮想通貨取引所と仮想通貨取引に課税することを支持しているとはいえ、それは仮想通貨が有効な資産クラスとして分類されるという意味ではないと主張している。

一方で、インド中央銀行前副総裁のR.ガンディー(R. Gandhi)氏は最近のインタビューで、インドは仮想通貨を資産クラスまたは商品として扱い、既存法律の下に置く必要があると主張している。同氏は、仮想通貨が広く普及されるようになることで、投資の対象としてだけではなく、商品やサービスの支払いに使用できることを期待している。実際、ブロックチェーンなどの分析を手掛けるchainalysis(チェイナリシス)レポートによると、インドは仮想通貨の採用に関して世界で2番目にランクインしており、昨年、インドでは仮想通貨投資家が20,000%近く増加したとの記録もある。

インドでの仮想通貨投資人気の高まりは仮想通貨市場にとって大きな影響を与えると考えられており、非公式の推計によると、1,000億ルピー(1,495億円)以上保有する仮想通貨投資家がインド国内に1,500万人以上いると推定されている。さらにインド中央銀行は、9月3日付けの特集記事「インドで12月に中央銀行のデジタル通貨トライアル開始計画」で報じているように、今年末までにデジタル通貨のパイロットを開始する計画を明らかにしており、CBDCの技術や発行方法などさまざまな問題を調査している。

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