ステラ開発財団、130億円相当のXLMエアドロップを中止に
ステラ開発財団がXLMのエアドロップ中止を公式ブログにて発表した。財団はこれまで、ファイル共有・メッセージングサービスなどを手がけるKeybaseと協力して、検証済みのユーザーに対して約20ヶ月間エアドロップを行う計画を進めていた。検証済みのユーザーに関しては、最大で500ドル相当のXLMを受け取れるはずだった。
しかし、エアドロップを目的とした偽のアカウントが大量出現したことで、財団側は適正な分配ができないと判断したとのこと。そのため、財団からのエアドロップは、12月15日から始まる1億XLMのエアドロップで最後となる。
財団とKeybaseはこれまで多くのメディアからエアドロップに関する報道を受けていた。Keybaseに関してはこの広告効果もあり、新規ユーザーを大量に獲得しており、25%ベースが増加している。Keybaseは不正なアカウントが大量に出現したことで、確認作業を行えるレベルを超えてしまったと述べた。加えて、XLMのエアドロップのキャンペーンは、「その大部分がうまくいった」と報告している。しかし、ユーザー側の視点で考えれば、欺かれたという感覚は否めないだろう。ただし、財団はこのキャンペーンを早期で終了する可能性があり、その権利を保有していると公言していた。
権利集中が指摘されるステラ開発財団
9月に発表されたこのエアドロップの企画は、合計で20億XLMを配布する予定だった。しかし、終了となったことで、最終的に配布されるXLMは約1億6,000万ドルに相当の3億に止まることになる。加えて、XLMは最近バーン(焼却)を行っている。これによって、財団側の保有率が全体の供給に対して30%と高くなった。
この点に関しては、ライトコイン創設者でもあるチャーリー・リー氏が財団側の権利集中で中央集権化していることを指摘している。仮想通貨メディアCrypto Briefingは財団側に残りの17億XLMをどう使うかについて問い合わせたが、回答はまだないと報告している。
XLMとXRP、国際送金の市場を勝ち取るのはどっち?
XLMと同じく中央集権的な要素が強い仮想通貨XRPだが、ステラは元々XRPをベースに作成された。そのため、XRPの特徴でもある高速送金や格安の手数料も受け継いでいる。米ソフトウェア開発大手のIBMと国際送金のプロジェクトで提携しており、将来性の高さを期待する声も多い。XLMとXRP、どちらが国際送金の市場を勝ち取るのか、今後の動きにも要注目だ。