金融庁、仮想通貨取引所BtcNextへ警告
金融庁は無登録の海外事業者「BtcNext Company Limited」に警告を出した。金融庁によれば、インターネットを通じて日本居住者に対してBtcNextが仮想通貨交換サービスを提供していたと述べている。金融庁が発表した文書には、BtcNextの拠点はセントビンセントおよびグレナディーン諸島となっているが、現時点では違う可能性もあるとのこと。
仮想通貨取引所への金融庁の規制
日本では2017年4月1日から仮想通貨に関する新しい制度が導入されており、国内で仮想通貨の交換サービスを提供する場合には金融庁に仮想通貨交換業者として登録する必要がある。今年11月には、株式会社オウケイウェイヴの子会社にあたる株式会社LastRootsが交換業者として関東財務局から正式に認可を受けた。LastRootsでは独自発行の仮想通貨c0banを提供しており、今後はさまざまなサービスに組み込むことも計画されている。
いっぽうで、海外取引所の多くは金融庁の警告を受け、日本市場からは撤退している。たとえな、2018年3月23日には海外取引所バイナンスに金融庁が警告を出している。バイナンスはマルタに拠点を構えている世界でも最大規模の取引所だが、これを受けてホームページの日本語対応を終了した。また、2018年6月2日には海外取引所HitBTCが日本人向けのサービス提供終了を発表。KYCが導入され、日本居住者ではないことを証明しなければ取引ができなくなった。
Huobiは買収で事業展開、コインベースは進展なし
海外取引所ではHuobiの日本法人であるフォビジャパン株式会社が、国内取引所を運営するビットトレード株式会社を買収し、その事業を継続する形で日本にてサービスを提供している。ビットトレードはすでに金融庁から認可を受けていたことで、海外勢としては唯一正式に日本国内で事業を展開することができた。ただし、本家の取引プラットフォームHuobi Globalのように数多くの通貨を取り扱っているわけではない。ビットトレードが買収前から取り扱っていたビットコインやイーサリアムなどの代表的な仮想通貨だけが取引可能となっている。
2018年6月には、米取引所コインベースが日本法人を設立している。お金のデザイン元COOである北澤直氏が代表に就任しており、コインベースが日本市場進出へ向けて本格的に乗り出していることがわかる。2018年10月の日経アジアンレビューのインタビューにおいて、コインベースの最高政策責任者Mike Lempres氏は、セキュリティの強さが金融庁のニーズと合致するとして認可取得に意気込みを見せていた。しかし、現時点でコインベースが交換業者として登録された報告は出ていない。