Axie Infinity CEOはハッキング通知前にトークンを移動させインサイダー取引を否定

Axie Infinity CEOはインサイダー取引を否定

P2E(Play-to-Earn)ゲームの代表格であるAxie Infinityのチュン・グエン(Trung Nguyen)共同設立者兼CEO(最高経営責任者)は、インサイダー取引(※1)に関与しているとの非難を受けたが、根拠がなく虚偽であるとの主張をしていることが明らかになった。

(※1)インサイダー取引とは…
未公開情報を不法に共有・利用して証券市場取引をし、情報を持たない投資家に損害を与える犯罪的行為の事。

グエンCEOは、同ゲームの親会社であるSky Mavis社が6億ドル(約785億円)のハッキングを公表する直前にインサイダー取引を行っていたという疑惑に反論。経済・金融情報専門メディアの報道によると、3月の攻撃から発覚までの間に、同CEOに関連するウォレットが、約300万ドル(日本円で約4億円)相当のAXSトークン約5万枚をRoninブロックチェーンからBinanceに転送したと報じている。

グエン氏は事件数時間前に資金を移動か

2022年3月に人気のブロックチェーンベースのゲームAxie Infinityのために構築されたイーサリアム(Ethereum)サイドチェーンは、過去最大の仮想通貨ハッキングの犠牲者となっており、悪質な業者がセキュリティを破り、173,000ETH以上を流出している。

このハッキングはすぐに社会の注目を集め、多くの機関が背後にいる人物を突き止めるために調査を実施。その結果、FBI(Federal Bureau of Investigation=米国連邦捜査局)は、犯人は悪名高い北朝鮮のハッカー集団Lazarus Groupだと推定している。また、数百万ドルの盗難にもかかわらず、Axie Infinityチームは影響を受けた顧客に弁済することを約束し、7月にRonin Bridgeは、すべてのユーザー資金を返却し、業務を再開した。

しかし、メディアの報道によると、Axie Infinity の最高経営責任者であるグエン氏が事件の数時間前にプラットフォームから大手仮想通貨取引所Binanceに、300万ドル相当のAXSを移動したと主張。さらに同氏は、創業チームはハッキングによる混乱を緩和するため、750万ドル(約9.8億円)をAxieマルチシグウォレットからRonin Networkに移動させたと述べているとのこと。

Binanceのジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)は、Lazarus Groupから盗まれた6億2,000万ドルのうち、600万ドル近くを同社が回収したと報告し、次のように語っている。

DPRKのハッキンググループは、最近、ハッキングしたAxie Infinityの資金を動かし始めました。その一部は86以上のアカウントにまたがってBinanceに作られており、5.8百万ドルを回収した。われわれは過去に他のプロジェクトでも何度も行ってきました。

日本語訳:
この話には、インサイダー取引の憶測が含まれています。これらの告発は根拠がなく、誤りです。実際、創設チームは、橋が閉まる前に、既知のAxieマルチシグウォレットからRonin Networkに750万ドルを預けて、ショートセラーの監視をトリガーしないようにしました。

なお、グエン氏はツイートで、インサイダー取引に関与したという主張を「根拠がなく間違っている」と一蹴している。