ロシア最大ダークウェブ、ICOを計画か

ロシア最大ダークウェブ、ICOを計画か

2019年12月11日、ロシア最大のダークウェブHydraが、世界進出のための資金1億4,600万ドル(約159億円)を調達するためにICOを行う計画があるとロシアの情報サイトFORKLOGが報じた。ICOは12月16日にスタート予定とされるが、HydraのICOページには匿名系のブラウザがないとアクセスできないと思われる。報道ではこのICOは資金を集めた後に行方をくらます出口詐欺であると警告している。

ICOの詳細

翌日コインデスク・ロシアが報じた内容によれば、トークンは新プロジェクトの49%に相当する1,470,000トークンが販売予定。トークンの販売価格は100ドルでビットコインにて購入可能。100トークンをまとめ買いすると、Hydraの利益の0.00333333%が受け取れるという。

さらに100トークン以上購入した場合、毎月500ドル相当のビットコインの配当を約束。ICOにKYCはなく全てが匿名であるとしている。どのブロックチェーンを使用してトークンが発行されるのかは不明。

ダークウェブ「Hydra」のEternos

Hydra側は、セキュリティやネット上の攻撃耐性に優れており買い手・売り手・配送業者がお互いに関与しない「非接触」方式を世界に広めたいと述べている。事実だとしたら随分ふざけているが、違法薬物所持や使用が蔓延し、社会問題となっているロシアではあながちそうとも言い切れない。

ロシアの内務省は2017年には約200万人のロシア人が違法薬物を使用していると発表。72人に1人は薬物使用している計算だ。販売拡充のためのHydraの新プロジェクトは、暗号化メッセージサービス・匿名系ブラウザ・仮想通貨取引が可能となる「Eternos」とされ、月に1,500万ドル(約16億4100万円)以上の利益を生み出すと予想されている。

Hydraとは

Hydraでは1日10万件以上の取引が発生し、アカウントは今年6月時点で250万アカウントあり、40万アカウントは少なくとも1回はHydraで買い物をしているとされる。現在違法薬物売買では世界最大規模とされるHydraだが、以前はRAMPと呼ばれる組織がロシア最大とされていた。

しかし管理者であるダークサイドという人物が2015年8月にヘロインの過剰摂取で死亡し、2017年の夏ごろにサイトが閉鎖。その後Hydraが勢力拡大したため、RAMPはHydraによって破壊されたのでは?と噂された。

ダークウェブで10億ドルものビットコインが使用されている

2019.07.02