258%上昇の仮想通貨LINK、疑わしい取引データから「価格操縦」の疑い=AnChain.ai
2019年の執筆時点で、最も高い上昇率を記録した仮想通貨プロジェクトChainLink(LINK/チェーンリンク)に、「価格操縦」という新たな疑惑が浮上している。
ブロックチェーントランザクションを分析する会社AnChain.aiのチームメンバーによると、チェーンリンクの過去の取引パターンを分析。その結果、「ポンプ&ダンプ」と呼ばれる疑わしい取引パターンが見られたこと、AnChain.aiのCEOであるVictor Fang氏が語った。
チェーンリンク(LINK)の急激な価格上昇
チェーンリンク(LINK)の急激な価格上昇は今年6月、チャーンリンクを使用して外部ブロックチェーンのソースから、データを統合できることを、Googleがブログで発表。さらに、その後には米国最大の仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)への上場が発表され、LINK価格は急激に上昇した。
これら影響から24時間で50%以上の上昇率を記録、発表から価格の最高値まで約258%も上昇する異例の事態が発生していた。
AnChain.aiが証言する疑惑とは
AnChain.aiは、これらの上昇が一部のユーザーによって価格操縦されている可能性を指摘。指摘内容は、少数のアドレスが大量の取引を行い、それらの取引データを隠蔽しようとした痕跡を発見したという。
「私たちの研究は、短期間で非常に不均衡な取引量を占める少数の住所を含むため、人工的な市場操作の実例であり、これらの取引はさまざまな形式の難読化と隠蔽の対象であると確信しています。」
AnChain.aiが主張する内容は、2019年4月1日から7月26日までのチェーンリンクに関する取引を調査し、7月8日から7月10日までに発生した取引に焦点を合わせたところ、不審なアドレスと活動を発見したという。
また、4月から7月までに、111,858件のトランザクションがあり、そのうち110,947件が成功したことが確認された。その後、AnChain.aiは、取引データを隠そうとしているアドレスを発見。そこから取引に関連しているアドレスの監視を開始していた。その結果、1つのアドレスは7月2日から7月15日までに420万個のトークンを販売しており、ユーザーは複数の「ジャンプアドレス」を保有し、最終的にトークンを仮想通貨取引所Binance(バイナンス)へと送信し、取引を行なっていたという。
今回のチェーンリンクの活動について同CEOは、以下のように仮想通貨市場の成長を懸念している。
「しかし、このような正確な市場操作は、あまり簡単には修復されない主流メディアの暗号通貨のイメージに永続的な悪影響を及ぼします。私たちは、暗号通貨セクター全体として、正当性と市場の完全性を成長し続ける中で最優先事項とすることを奨励します。」