エプスタインの私信が浮かび上がらせたビットコイン開発者との接点

ジェフリー・エプスタインとビットコイン開発者との接点を象徴的に描いたイラスト

公開文書が示した「創設者と話した」という主張の実像

米司法省が公開したジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)関連文書から、同氏が過去に「ビットコインの創設者の何人かと話した」と記した電子メールが確認された。

メールは2016年に送信されたもので、仮想通貨の初期開発を巡る人物関係や資金の流れに改めて注目が集まっている。問題のメールでエプスタインは、サウジアラビアの関係者に対し、宗教的価値観とデジタル技術を組み合わせた新たな通貨構想を説明していた。

構想は二つの要素から成り、一つは宗教的文言を刻印した物理的な法定通貨、もう一つはビットコイン(Bitcoin/BTC)ネットワークに連動するデジタル通貨とされている。エプスタインはこの文脈で、すでにビットコインの「創設者の何人か」と話をしており、彼らがこの構想に前向きな反応を示していたと記していた。

ただし、具体的な人物名や合意内容は示されておらず、計画が実行段階に進んだことを裏付ける資料も確認されていない。メールは、相手側からの返答や日程調整を待っている段階で締めくくられていた。

アンドレセンへの接触と初期開発への関与の範囲

別の公開文書では、エプスタインが2011年6月、ビットコイン開発者のギャビン・アンダーセン(Gavin Andresen)氏に電子メールを送っていたことが明らかになった。

この時期は、アンドレセン氏がCIA(中央情報局=米国大統領直属の対外諜報機関)本部でビットコインについて講演する直前にあたり、エプスタインは第三者を介して「ビットコイン関係者と連絡を取りたい」と伝えていた。アンドレセン氏は、サトシ・ナカモトから後継者として選ばれ、ビットコイン開発のリードメンテナーを務めた人物である。

公開された記録からは、両者が実際に直接会話したかどうかは確認できず、エプスタインの面会要請が実現した証拠も残されていない。さらに文書群からは、エプスタインがMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボのデジタル通貨イニシアチブを通じて、間接的にビットコイン開発者の活動資金に関与していた事実も示されている。2015年にビットコイン財団が資金難に陥った際、MITが複数の開発者の受け皿となり、その運営資金の一部がエプスタインの寄付に由来していた。

一方で、エプスタインがビットコインの運営やガバナンスを支配していたとする見方については、公開資料の範囲では裏付けられていない。ビットコインはオープンソースとして開発され、単一の資金提供者が全体を統制できない構造を持つ。今回の文書は、エプスタインが初期の仮想通貨分野に関心を持ち、複数の関係者と接点を有していたことを示す一方、ビットコインそのものを操作していたことを示す決定的な証拠には至っていない。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム