ブラジルのCBDCパイロットは2025年に延期

ブラジルCBDCパイロットが2025年に延期

ブラジル中央銀行(Banco Central do Brasil)は、これまでプロジェクトに提示されたプライバシーソリューションの非効率性のため、ブラジルCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)であるDrex(ブラジルの法廷通貨であるレアルのデジタル版)パイロットの完了を延期すると発表した事がわかった。

パイロットには新しいフェーズがあり、2025年に完了し、民間から提案されたユースケースを育成するためのスマートコントラクトの実装も特徴とするとのことだ。ブラジル中央銀行は、このプロジェクトに提示されたプライバシーソリューションの非効率性のため、ブラジルCBDCであるDrexのパイロットを2025年に延期すると報告。7月に開始され、2025年に終了する新しいパイロットフェーズでは、スマートコントラクトを含む新しい機能をサードパーティが実装できるという。これによって、パイロットの現在の範囲が拡大され、中央銀行が当初Drex向けに設計したものの範囲外にある新しいCBDCプロジェクトを民間企業が提案するよう促されることになる。

プライバシーと使用のバランスを見つける

現地メディアの報道によると、この措置の背後にある主な動機は、試行されたプライバシーソリューションが、市民のプライバシー保護に関連するすべての要件と法的問題への準拠を保証するために必要な成熟度を示していないことにあると指摘している。

同中央銀行は一般市民を巻き込んだパイロットテストについて、プライバシー要件を満たす能力について、「確実性がある場合にのみ実施される」と述べている。Drexは、Hyperledger Besuがサポートするブロックチェーンシステムの一部として設計されており、国の銀行および税務秘密規制への標準取引の準拠が複雑になる。これにより、ブラジル中央銀行のデジタルリアルプロジェクトコーディネーターであるファビオ・アラウホ(Fabio Araujo)氏が指摘しているように、Drexの2024年内の発行とテストは不可能になる事が予想されている。

当時同氏は、プライバシー問題の関連性も強調しつえで、次のように述べている。

デジタル資産に優れた使いやすさをもたらす製品を作るためには、プライバシーと使用のバランスを見つける必要がある。ガバナンス標準とデジタルリアルプラットフォームが定義されれば、新たな支持者が参加する余地が生まれるだろう。

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