SECナイジェリアが仮想通貨研究のためのフィンテックユニットを設立
SECナイジェリア(ナイジェリア証券取引委員会)は、仮想通貨業界を規制する取り組みの一環として仮想通貨研究部門を設立した事を発表した。
ナイジェリアの中央銀行が銀行による仮想通貨エンティティと投資家へのサービス提供を禁止してから8カ月後、SECナイジェリアは、仮想通貨業界の規制策定を支援するフィンテックユニットを設立した。SECナイジェリアは、投資家を保護するのに役立つ規制ガイドラインを考案するために、新しい部門が暗号投資と製品を研究すると発表し、開発について、SECナイジェリアの(Lamido Yuguda)事務局長は次のように述べた。
私たちはこの市場を注意深く見て、投資家がブロックチェーンへの投資を保護するのに役立つ規制をどのように引き出せるかを見ています。SECはすべての仮想通貨を「別段の証明がない限り証券と見なす」ため、デジタル通貨がナイジェリアの銀行システムに統合されたら、委員会は規制に介入します。
NEXTMONEYの特集記事「米国政府がFBIを通じてナイジェリアの仮想通貨犯罪捜査官向けトレーニングを開始」、「ナイジェリアの中央銀行がフィンテック企業BittIncと共同でe-Nairaを立ち上げる」などで報じているように、ナイジェリアでは、CBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)発行に向け、仮想通貨市場に関連したさまざまな研究が急ピッチで進められている。
2020年9月にSECナイジェリアは、仮想通貨業界に規制ガイドラインを提供するための設備が整っていると述べており、当時、SECナイジェリアの登録、取引所、市場インフラストラクチャー、イノベーションの責任者であるエモモティミ・アガマ(Emomotimi Agama)氏は、この機関がいくつかの機関と緊密に協力していると述べている。これらには、ケンブリッジ代替金融センター、世界銀行などが含まれており、当時の目標は、ナイジェリアの仮想通貨エコシステムが「不毛のままではなく、基本原則に基づいて導かれる」ことを保証することだと語っていた。
ナイジェリアは禁止にもかかわらずP2P取引をリードする
2021年2月にCBN(Central Bank of Nigeria=ナイジェリア中央銀行)は、国内の銀行やその他の金融機関が仮想通貨を扱ったり、デジタル通貨を扱う事業体や投資家への支払いを促進したりすることを禁止している。
しかし、ナイジェリアでは国民らが仮想通貨などのデジタル資産に投資が増加し続け、インフラの未整備などの問題も絡まり、若い投資家を中心に、仮想通貨業界に人々が集まった。その結果、「ケニアがP2P仮想通貨取引で154カ国中トップに立つ:通貨切り下げが採用の原動力」でも報じたように、ナイジェリアはアフリカでケニアに続く2位の仮想通貨P2P市場へと駆け上がった。
CBNがデジタルナイラをローンチ
仮想通貨取引量が増加したナイジェリアでは、「ナイジェリアCBDCはすでに開発中:2021年にはパイロットテストを計画」で報じているように、CBNは2021年10月にデジタル通貨e-Naira(デジタルナイラ)の試験運用計画を発表している。
報告によると、「GIANT」と呼ばれるCBDCデジタルナイラプロジェクトは、ナイラの現金紙幣を補完するものとして機能し、ナイジェリア国内の外国為替規制を緩和するためにも使用されるとのことだ。