ジャオ・チャンポン氏がバイナンスから永久追放処分
数週間以内に米国の刑務所当局から釈放される予定のバイナンス(Binance)の元CEO(最高経営責任者)ジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏は、米国当局との合意に基づき、法律違反によりバイナンス幹部から永久追放されている事がわかった。
当初、趙氏は3年間バイナンスに復帰できないと報じられていたが、後に、追放処分は永久的なものとみられていた。しかし、2023年11月に提出された司法取引では、検察官に対し、同氏が「現在または将来の運営または管理への関与」を禁止されていることを考慮するよう求められており、同氏がプラットフォームで再び幹部としての役割を担うことは不可能となっているという。また、同氏が永久追放処分にもかかわらず大株主の地位を維持することをバイナンスのリチャード・テン(Richard Teng)新CEOは確認。ジャオ氏はバイナンスを退任後、ブロックチェーン、AI(人工知能)、バイオテクノロジーへの投資に重点を移す。
ジャオ氏はバイナンスの最大株主
同氏の法的トラブルは、米国当局がバイナンスの運営に関連して未登録証券の提供、市場操作、プラットフォームのAML(マネーロンダリング対策)プロトコルの欠陥など、複数の違反で彼を告発したことから始まっている。
世界最大の仮想通貨取引所の1つとしての地位にあるバイナンスだが、同社は容赦ない規制当局の監視に直面しており、創業者にとって深刻な法的課題となっている。同氏はDOJ(米国司法省)との合意の一環としてバイナンスのCEOを辞任。合意では、同社の「経営または運営」から同氏を永久に排除することが求められており、同氏は法廷で次のように述べている。
申し訳ありません。責任を取る第一歩は、間違いを完全に認めることだと考えています。私は適切なマネーロンダリング対策プログラムを実施しませんでした。今、その間違いの重大さを実感しています。
同氏の後を継いでバイナンスの新たなCEOとなったテン氏は、創業者がプラットフォームの管理を永久に禁止されたことを確認しており、バイナンスと米国当局との合意の重要な条件だった事を明らかにしている。また、CEOを退任したにもかかわらず、ジャオ氏はバイナンスの最大の株主であり、会社の方向性に対する影響力を維持でき、経営陣の変更提案や、新たな取締役の任命ができる状況にある