Circle(サークル)幹部がMiCA稼働開始2週間程度でユーロ・ステーブルコインが急成長すると予測

Circle幹部がユーロ・ステーブルコインは急成長すると予測

米ドルとユーロのステーブルコインを発行するCircle(サークル)の上級政策幹部、パトリック・ハンセン(Patrick Hansen)氏は、ユーロベースのステーブルコインが今後数日間で上昇し続けると楽観的予測をしている事がわかった。

日本語訳:
ユーロ建ての仮想通貨取引の1.1%はEURステーブルコインを使用して行われています。USDステーブルコインの場合も同じ数字が90%です。
おかしな話に聞こえるかもしれないが、1.1% というのは実は過去最高値なのだ。
数年前は基本的にゼロでした。私に言わせれば、ここから成長し続けるだけであり、MiCAの導入は、より魅力的なEURステーブルコインの流動性と取引量の創出に貢献するでしょう。
6~12カ月後にもう一度確認しましょう。

この数字は過去最高で、数年前のほぼゼロから上昇していると同氏は指摘。米ドルベースのステーブルコイン取引は90%以上を占めているが、より多くの発行者が欧州からユーロ・ステーブルコインを発行しようとするため、この数字は縮小する可能性が高い。現在、テザー(Tether/USDT)は米ドルに追随する最大のステーブルコインである。仮想通貨アグリゲーターであるCoinMarketCapによると、Tether社が発行しており、時価総額は1,120億ドル(約17.6兆円)を超えている。

それでも、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)とは異なり、流通している各USDTは米ドルに固定されており、変動性はない。それと同時に、発行プラットフォームに関係なく、トークンは理論的には米国債などの現金および現金同等物によって裏付けられている。しかし、米国でのステーブルコイン法の起草と実施の遅れは、成長の大きな障害となっており、これまでのところ、SEC(米国証券取引委員会)とゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は、仮想通貨企業に関して、意図的に執行による裁定を行っているとして非難されている。

EU(欧州連合)では状況が異なる。何年にもわたる改良を経て、この地域は仮想通貨とステーブルコインとの関係を大幅に変えようとしている。MiCA(仮想通貨市場)規制は、加盟国全体のデジタル資産市場を統制するために設計された包括的なフレームワークであり、2023年4月に承認された後、2024年6月30日(日曜日)から施行される。

MiCA施行はCircleにとっての追い風となるか

MiCA法案は、ESMA(European Securities and Markets Authority:欧州証券市場監督局)によって監督されている。

この規制は、ヨーロッパの仮想通貨シーンに秩序と、最も重要な透明性を明確にもたらす。MiCAは、EUで運営されている組織が発行するステーブルコインに対して、より厳格な規制要件を義務付けており、実施は段階的ではああるものの、6月30日には、対象地域で運営されている取引所などの資産サービスプロバイダーと仮想通貨ビジネスにコンプライアンスを求めている。これは、Binance(バイナンス)やKraken(クラーケン)を含むすべての取引所は、KYCおよびAML要件を登録して実施する必要があり、これを怠ると、巨額の罰金や、場合によっては即時禁止につながる可能性がある。

ハンセン氏はこれをステーブルコイン界にとってプラスと予測しており、2024年を通じてユーロ中心のステーブルコインのシェアが上昇するとみている。