コインベース(Coinbase)のBaseネットワークが44分間停止

BaseネットワークとEthereumの象徴を組み合わせたデジタルネットワークのイメージ

シーケンサーの障害によりネットワークが一時停止

コインベース(Coinbase)が開発するレイヤー2ネットワーク「Base」で、2025年8月4日(UTC)に約44分間のネットワーク停止が発生した。トランザクションの順序を管理するシーケンサーの不具合が原因で、取引処理が一時的に中断した。

Baseの開発チームによると、今回の障害は本番環境に未設定のバックアップシーケンサーに切り替わったことによる「安全でないヘッド遅延(unsafe head delay)」が原因だった。この結果、Baseネットワークでは新たなブロックが生成されず、全てのトランザクションが停止した。

障害はUTC6:07に発生し、約33分間にわたってネットワークが機能しない状態が続いた。発生直後に生成されたブロック33792346を最後に、以降のブロックには1件のトランザクションしか含まれておらず、シーケンサーは完全に停止していた。Baseのステータスページには「メインネットの4つのコンポーネントで重大な障害が発生した」との記述があり、その後、6:44に問題が特定・修正され、6:51にブロック33793679で稼働が再開された。

今回の障害では、Baseの管理システム「Conductor」がバックアップシーケンサーへの切り替えを実行したものの、切り替え先の設定が不完全だったため、ブロック生成が不可能となった。

Base Buildの公式アカウントや開発責任者ジェシー・ポラック(Jesse Pollak)氏は、チームが即座に対応し、UTC6:40までに完全復旧したと説明している。今後はすべてのシーケンサーが選出時に正常に機能するよう、インフラの更新を進める方針だ。

影響とコミュニティの反応

Base Buildの公式Xアカウントは、今回の障害について「不健康なメインネットシーケンサーへの自動切り替えにより、ネットワークが33分間停止し、ブロックの生成ができなかった」と説明した。

Baseのエンジニアリング責任者である“aflock”氏は、「チェーンの稼働時間は極めて重要であり、グローバル経済を支えるには強固なインフラが不可欠」と投稿し、障害対応にあたったチームに誇りを示したうえで、将来的な強化にも言及した。

成長を続けるBaseの現状と今後

Dune Analyticsのデータによれば、2025年7月24日以降、BaseはSolanaを上回る1日あたりのトークン発行数を記録しており、7月27日には54,000件以上の新規トークンが発行された。これはSolanaの約25,460件を大きく上回る。

この動きは、ZoraやFarcasterといったアプリの影響によるもので、とくにZoraは投稿から直接トークンを発行できる機能を備えており、8月2日には39,778件のトークン発行を記録した。

Baseチームは今後のアップグレード計画として、確認時間の短縮(200ミリ秒)、手数料の低減(0.01ドル以下)、ガススループットの拡大(2500万→2億5000万ガス)などに取り組むと発表している。また、プロトコルロジックの一部をイーサリアムL1に移行し、より広範なガバナンス参加を促す方針も示している。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム