5月のBTCクラッシュを受け、ユーザーがBinanceを訴える
2021年5月中旬、Binance(バイナンス)がクラッシュ(大暴落)したことにより影響を受けたユーザーが、Binanceに対して払い戻しを求める訴訟を起こしたことが明らかになった。
世界最大の仮想通貨プラットフォームBinanceは、NEXTMONEYの特集記事「フラッシュローン攻撃で2つのBinanceスマートチェーンDeFiプロジェクトに被害」で報じたように、5月にクラッシュしたことで、ビットコインやその他の仮想通貨の価格が下落し、1時間以上取引所が取引できない状態となっていた。Binanceがクラッシュしたことで何千人ものトレーダーが、Binanceのポジションを離れることができず大きな被害が出ていた。
700人のトレーダーと原告団を結成
トレーダーの1人であるインドのプログラマーのアナンド・シンハル(Anand Singhal)氏は、影響を受けた他の700人のトレーダーとともに原告団グループを結成し、フランスの弁護士と協力して損失を取り戻そうとしている。
Binanceがクラッシュした日にシンハル氏は、BitcoinonBinanceにレバレッジベットをしており、およそ125倍のレバレッジで取引を行っていたシンハル氏は、フリーランスの仕事をしながら13年間で50,000ドル(約550万円)を投資につぎ込んだが、その日を境に大きく生活が変わったと述べたレバレッジ取引は、元手の何倍もの資金で取引ができるため、資金の少ないトレーダーにとって魅力的な取引方法である一方、小さな値動きで大きな損失を生むためリスクの大きな取引である。
また、同氏がBinanceに補償請求フォームを提出した際、同取引所は、補償を提供する代わりに、VIPプラットフォームへの3カ月のアップグレードを提案し、オファーを公開した場合Binanceはそれを撤回すると脅したとのこと。Binanceを追いかける際の課題の1つであるのが、とらえどころのない本社の存在であり、トレーダーは取引所が正確にどこに基づいているのか、そしてそれをどのように追跡するのかを突き止める必要がある。
Binanceのスポークスマンは、この事件についてコメントし、5月19日のような市場が極端な変動が起きると、他の取引所に技術的なボトルネックが生じる可能性があると述べたうえで、次のようにコメントしている。
私たちは、クラッシュの影響を受けたユーザーと関わり、補償を提供するために即座に措置を講じました。今回の件について懸念を持ったユーザーの問い合わせには、引き続き喜んで対応いたします。