ドバイのエミレーツNBD銀行が仮想通貨投資に警告
ドバイに本拠を構えるエミレーツNBD(Emirates NBD)が仮想通貨への投資に対する警告を発した事が新たに分かった。
Emirates NBDが、仮想通貨投資に対し、同銀行はウェビナー中に顧客に向け、警告を発し、主なリスク要因として高いボラティリティ(※価格の変動率)と市場の不確実性を挙げたほか、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やその他仮想通貨の揮発性に対して警告した。銀行の資産配分と定量的戦略の責任者であるジョルジオ・ボレッリ(Georgio Borelli)氏は今回の警告に関して次のように語っている。
デジタル通貨のボラティリティは、金融業界で広く採用されるために鎮静化する必要があります。
仮想通貨取引の急増と投資スリル
ボレッリ氏は、銀行のGlobal Investment Outlook2021ウェビナーの中で、機関投資家やファンドマネージャーが仮想通貨を採用する際には、最初に高水準のボラティリティを鎮める必要があると付け加えたものの、同氏は、仮想通貨の変動性とリスクの性質がその魅力の一部であることも認めた。
ボラティリティが高いにもかかわらず、今年は仮想通貨の使用が急増しており、実際、いくつかの機関は利益を達成するため、仮想通リスクに立ち向かっており、ボレッリ氏はこの成長を高い社会的有用性と仮想通貨のスリルが要因であるとの見方を示した。注目しておきたいのが、デジタル通貨および仮想通貨は、その取引価値のために高い社会的有用性を有している点だ。同氏はさらに、仮想通貨取引とその価値の間の強いつながりが価格変動に寄与すると説明し、仮想通貨へのシフトとそのビジネスサイクルの間にリンクを描き、次のように説明している。
仮想通貨は循環的なマクロ資産であり、機関投資家のポートフォリオに市場があるかどうかという疑問が生じます。私たちの答えは今日の時点で、まだ(ないと考えている)です。すべてのビットコインリスクが市場要因によって一貫して説明できるわけではありません。
同氏はさらに仮想通貨のボラティリティと、株式やクレジットなどの他のリスクのある資産のボラティリティとの比較をし、2つの資産が同等であるためには、投資家は公正なプラスのリターンを保証する必要があり、BTCおよびその他の仮想通貨は現在このセキュリティを提供できないと述べている。
将来が不透明な仮想通貨
ボレッリ氏は、実行可能なマイニング、マネーロンダリング(資金洗浄)、テロ対策資金調達規制などの他の仮想通貨への制限についても概説。同氏は仮想通貨の将来はまだ不透明であると述べている。
実際に同氏は、すべての仮想通貨が存続し、普遍的に採用されるわけではないと指摘しており、同様に、仮想通貨への規制が仮想通貨の機能にどのように影響するかはまだ不明であるとの見解を示した。
これに沿って、多くの国がその使用を模索し始めており、CBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)がどのような役割を果たすかはまだ不明である。特に、中国はすでに人民元のテストを開始しているものの、他の国々はまだ成長段階または調査およびテスト段階にある。