シンガポール金融管理局がCBDC構築支援15社を選抜
MAS(Monetary Authority of Singapore=シンガポール金融管理局)が、CBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)の構築を支援するため、15社を選抜したことが分かった。
グローバルCBDCチャレンジは、世界に利益をもたらす中央銀行が支援するデジタル通貨ソリューションの開発と発展を目的としており、MASによって主導されている。MASの発表によると、ファイナリストにはシンガポールから6社、米国から4社、オーストラリア、バルバドス、ドイツ、フランス、スイスからそれぞれ1社が選ばれている。
最終選考に残ったシンガポールのコンソーシアムには、シティグループの金融サービスの消費者企業銀行部であるシティバンクNA、HSBCホールディングス(HSBC Holdings plc)、フランスの多国籍テクノロジー企業であるIDEMIA(アイデミア)、IOGシンガポール(IOG SINGAPORE Private Limited.) 、スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)などが含まれており、上位3社のファイナリストは、それぞれ50,000ドル(約550万円)を獲得する。さらにファイナリストである15社はMASの指導により、デジタル通貨ソリューションのラピッドプロトタイピングのためのAPIXデジタル通貨サンドボックスへのアクセスが許可されるほか、11月8日~12日に開催される予定のシンガポールFinTechフェスティバルで、自社のデザインを発表する機会が与えられる。
中央銀行によると、グローバルCBDCチャレンジのファイナリスト15社は、50カ国からの300件を超える応募の中から選ばれ、ファイナリスト全員がそれぞれ200,000ドル(約2,200万円)の助成金を受け取れる。上位に残った15社に関しては今後、次のフェーズに進み、CBDCの開発に不可欠なトピックをカバーし、ファイナリストが新鮮な視点と洞察を活用して最終的にソリューションを完成させることになる。
MASのチーフフィンテックオフィサーであるソプネンドゥ・モハンティ(Sopnendu Mohanty)氏は次のように語った。
CBDC開発におけるさまざまな問題ステートメントのカテゴリーにわたって、ソリューションアプローチの健全な多様性がありました。シンガポールのフィンテックフェスティバルで最終候補のソリューションを紹介できることを非常に楽しみにしています。
シンガポール当局は2021年の初めからCBDCおよび仮想通貨に関しての研究開発を続けており、オーストラリアのIndependent Reserve社に、デジタルペイメントトークン(DPT)のプロバイダーとしての運営を許可している。