イングランド銀行総裁、「米ドル準備金を仮想通貨にするべき」発言

イングランド銀行総裁、「米ドル準備金を仮想通貨にするべき」発言

2019年8月23日、米国ワイオミング州で行われた国際経済シンポジウム、通称ジャクソンホール会議にて、イングランド銀行総裁マーク・カーニー氏が「ドルは世界経済の安定性を損なっている。各国の中銀がドルに代わる独自の基軸通貨の設定に向けて団結する必要があるだろう」と発言。世界の中銀総裁や政治家などが集まるこの会議では、米連邦準備理事会(FRB)議長パウエル氏の発言と、日中貿易戦争に注目が集まるだろうと予想されていたが、氏の発言に仮想通貨業界が大きく沸き上がった。

政治不安と金融政策の限界

外国為替市場・貿易決済・外貨準備金、いずれも米ドルは高い占有率を誇っている。つまり、本来ならば世界経済を正しく牽引する必要がある米国なのに、今や中国との貿易戦争によって世界経済を危うくしているのだ。加えて、香港の政治混乱で続くデモ・英国のEU離脱問題・イタリアの政治危機など、経済だけでなく政治的な混乱も問題になっている。いくら中央銀行が金融政策として低金利を打ち出しても限界がある。低金利やゼロ金利は、借りる側にとって良いことだが、それは企業の業績が悪い=経済状況が悪化している事を意味する。

カーニー氏の発言

上記を踏まえ、カーニー氏は世界各国の銀行は腕の悪い政治家たちのツケを払わされていると感じているようで「金融政策の余力はないに等しい(低金利の限界がきている)のに、現時点で多くの重大なリスクをすべて片付けようとしている」「金融緩和の余地が減少し、このままでは経済の悪化を相殺できない可能性がある」と憂いている。

そして「長期的に見てゲームのルールを変更する必要がある」「変更するのであれば、通貨覇権の入れ替え(例えば米ドルから人民元に代わるなど)であってはならない」「デジタル通貨はグローバル通貨米ドルに代わる準備はできている」「フェイスブックのリブラに似た国際的なデジタル通貨が良いだろう」「人民元がドルに代わるより、デジタル通貨がドルに代わる方が良い」など、ドル依存の市場をデジタル通貨へ変えることが望ましいと述べた。

カーニー氏は米ドルに代わる通貨を国際通貨金融システム(IMFS)による新しい主導通貨を「SHC」と呼んでいる。「SHCの初期バージョン(リブラの事)は欠陥があるとしても、このコンセプトは魅力的だ」「SHCが中央銀行のデジタル通貨のネットワークを通じて一般に普及されることが最善策なのかはわからない。しかし、米ドルによる世界貿易への影響力を弱める可能性はある」としている。

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2019.08.01
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