ブルームバーグは、仮想通貨テザー(USDT)に相当する米ドルの準備金を保有していることを報道

仮想通貨テザー(USDT)に相当する米ドルの準備金を保有している

仮想通貨市場で最も人気のあるステーブルコインである仮想通貨Tether(テザー/USDT)の準備金について新たな情報が明らかとなった。

ブルームバーグは18日、米ドルと1:1の準備金を保有しているとされているテザー社の準備金である米ドルについて、テザー社が発行するステーブルコインはUSDTの総数に相当する米ドルを保有していると伝えた。

ブルームバーグはテザーが準備金を保有していることを証明するため、2017年9月から2018年7月までの銀行取引に関する明細書を確認し、テザー社が発行するUSDTの総発行枚数に相当する米ドルを保有していたことが確認されたという。

さらにテザー社は、2018年1月から2018年7月までの間で、銀行に預けているUSDTの裏付け資金である米ドルにて最低でも660万ドル(約7400万円)もの利息を得ていたことが確認された。

なぜ、テザーの準備金について騒がれているのか?

仮想通貨市場は高いボラティリティのため、ビットコインをはじめとする仮想通貨全体の価格が大きな上昇、下落を繰り返す。これに対応するため、テザー社は米ドルと1:1で裏付けされているトークン「USDT」を発行し、法定通貨に交換しなくても安定した価格で保有できる仕組みを提供している。

しかし2018年1月、テザー社がUSDTの総発行枚数に相当する米ドルを保有しておらず、取引所ビットフィネックスを通じてビットコインの価格を操作しているのではないかとされる匿名レポートが公開された。これを機に仮想通貨市場のテザー社に対する疑惑が増幅する事態となった。

3月21日にはわずか1日に間にUSDTが約300億円相当発行され、続いて5月18日には約275億円相当のUSDTが発行、その後も約550億円相当のUSDTを発行していた。

6月には米ドルの証明として、フリー・スポーキン&サリバン社(FSS)という法律事務所が米ドルの資金調査を担当し、同日のUSDTの供給額は約25億4000万ドルに対してテザーの銀行口座にあった資金は25億5000ドルと証明された。しかし、「会計事務所が調査を行なっていない。調査が1日で終了。」との理由から疑惑が続いていた。

そして10月、バハマれんぽに本社を置き72年の歴史を誇る金融機関「Deltec Bank」と提携していたことを発表し、同日、公式の公開文書にてUSDT総発行枚数の相当する約17億7000万ドルよりも5500万ドル多い18億3000万ドルを保有していることを証明した。これに対しても銀行の責任者やそれに対する公式の印鑑、誰が今回の米ドルの準備金を証明したか明かされることがなかった。

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今回の発表に対する批判的な意見

今回の発表について仮想通貨ニュースサイトCCN.comは、ブルームバーグやテザーに対して批判的な意見を述べている。

「このレポートは、Tetherの悪名高い不透明な操作についての洞察を提供していますが、Tetherは、現金準備金の査定を拒否しており、ブルームバーグの銀行に関する声明で は、Tetherが準備勘定にどれくらいの金額を払っているのか、そして準備勘定がどこにあるのかについては何も言及していない。この報告書は、Tether Ltd.がUSDを譲渡し、USDTを受け取ったことのみを示しています。

これらが事実であれば、世界中の投資家が保有しているUSDTは無価値であり、それらを保証することができなくなる。現在、世界中で使用されているステーブルコインの98%はUSDTであり、その市場規模も計り知れないであろう。

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