仮想通貨を法定通貨や、その他のモノや通貨で裏付けがされている「Stable Coin(ステーブルコイン)」、ウィンクルボス兄弟が運営している仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)のステーブルコイン「Gemini dollar(GUSD /ジェミニ・ドル)」によって激しい競争が予想されている。
しかし今回、ステーブルコインが大きな競争を繰り広げるなかで、中央集権の不透明で批判が多く集まっている「Tether(テザー)」が、ジェミニ・ドルなどの他のステーブルコインを凌駕していることが判明した。
仮想資産のベンチャー企業である「Blockchain」が発表した研究報告によると、ステーブルコインの毎日の総取引量の98%がTether(テザー)によって支配されており、これらはビットコイン(BTC)の毎日の総取引量の60%の割合を占めていることが判明した。
また他の研究報告によるとテザー以外のステーブルコインと比べてみると、テザーはティア1取引所への流通量が最も多いことが判明している。世界各国の仮想通貨取引所でステーブルコインを扱う取引所は50箇所存在するが、テザーはそのうち46の取引所で取引されている。
ステーブルコインの市場の動きはジェミニ・ドルだけではなく、ンピュータ関連製品やサービスの提供をしている、ニューヨークに本社を置く「IBM」が7月17日、米ドルと連動するステーブルコイン発行に向けて金融テクノロジーのスタートアップ企業「StrongHold(ストロングホールド)」と提携したことが明らかとなっている。
このようにステーブルコインの市場競争が激化しているが、今年の6月末にはフリー・スポーキン&サリバン社(FSS)という法律事務所が数週間に渡り、テザーの2つの銀行にアクセスし調査を行ない、テザーが米ドルに本当に裏付けられているのか調査されている。しかし、これらの調査が行われたにも関わらずテザーの中央集権での資金の裏付けに疑問の視線が集まっている。
しかし、仮想通貨の利権構造はある程度確定してしまったいま、金を上回る信用をとるのはなかなか難しい。どうやってこれを打開すのかとても興味がある。